地域の「お宝」マグネットに 小学生が製作、自販機で販売 魅力知り「思い感じて」

2024.01.28
地域注目

地域の「お宝」を再現したマグネットを作った三輪小5年生と、余田さん=兵庫県丹波市市島町酒梨で

兵庫県丹波市立三輪小学校5年生(11人)が、自然や歴史遺産といった同市市島町美和地域の「お宝」を表現して製作したマグネットを、学校前の駄菓子店「余田商店」(同町酒梨)で販売している。「地域の皆さんを喜ばせたい」と店を営む余田康夫さん(63)の熱い思いに賛同し、「何か協力できることを」と考案。マグネットの売り上げは地元の美和地区自治振興会に寄付し、子どもの育成に役立ててもらう。33個の数量限定で、100円。

「美和のお宝マグネット」。プラスチック板とアイロンビーズで作った。プラ板には、コウノトリやハヤブサ、モリアオガエル、名所の白毫寺で知られるフジの花などをペンで描いた。色とりどりのビーズを組み合わせ、ホタルのほか、かつて地域を走った「中丹(ちゅうたん)バス」も表現。地域の魅力をアピールするメッセージカードを同封する。

「美和のお宝マグネット」。児童からのメッセージカードも同封

2学期以降、総合的な学習の一環で、自然や歴史に詳しい地域の「プロフェッショナル」たちから話を聞いた。115年の歴史を持つ同商店の余田さんも招いた。利益度外視で、地域の子どもの居場所をつくるために営業しているという思いを知り、「余田さんの願いに貢献したい」と考えた。

連携を模索する中で、余田さんが「みんなの地域への気持ちを表現できる商品を販売できれば面白いのでは」と提案。同商店前で24時間購入可能な自動販売機で販売できるコンパクトなマグネットを作ることにした。表現している地域の「宝」は、授業内で学びを深めてきた。

マグネットを購入できる自動販売機

波多野琉都(るいと)さんは「自然いっぱいな地域について知ってほしい。優しい人もいっぱいいる」と話す。臼井凰祐(こうすけ)さんは「美和の良いところを知り、実際に地域や余田商店に来てほしい。地域がにぎやかになれば」とにこやかに話した。

余田さんは「マグネットを買ってほっこりとしてもらい、子どもたちの、これだけの地域への熱い思いを感じて」とほほ笑んでいる。

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