箏奏者 竹内さおりさん(西脇市)

2024.01.21
たんばのひと

竹内さおりさん

和楽器の魅力伝えたい

「箏アンサンブル斗為巾(といきん)」の西脇と丹波教室を担当し、中学生から80歳代まで幅広い世代に箏を教えている。県内を中心にコンサートも開き、昨年は韓国で開かれた国際フェスにも出演した。

箏との出合いは5歳の頃。尺八が趣味だった父(故・荻野久幸さん)に勧められ、柏原町の教室に通い始めた。小学生時代から頭角を現し、4年生の時に当道音楽会全国箏曲コンクール独奏の部で1位になった。

柏原高校ではコーラス部に入り、顧問の故・波部香代子さんとの縁で大阪音大短大部の声楽科に進学。歌を学びつつ、邦楽科の先生に箏を教わる機会に恵まれた。卒業後は地元に戻り、立道明美さん(舞鶴市、箏アンサンブル斗為巾代表)に師事。古典だけでなく、現代曲やポップスにも取り組み始めた。

コンクールへの挑戦も続け、賢順祭全国箏曲コンクールで3位、全国邦楽合奏協会邦楽コンクールで金賞を受賞。また、ライフピアいちじまで演奏会を開いたり、教室生と共に氷上文化協会の文化祭に出演するなどし、ふるさとでも裾野を広げてきた。「一つずつステップを踏んで、箏が根付いてきたのをうれしく感じる」と喜ぶ。

「こと」は「琴」と表記されることもあるが、支柱を立てて音程を決めるものは「箏」という。13本の絃(げん)があり、10本目までは数字で呼び、11本目は「斗(と)」、12本目は「為(い)」、13本目は「巾(きん)」の名前が付いている。

「人の琴線に触れる繊細な音を出せるのが箏の魅力。日本の伝統楽器の魅力をいろいろな人に伝えるのが“使命”と思っている」。柏原高校での和楽器講師歴は20年以上。丹波市春日町多田出身、52歳。

関連記事