地域連携で「いいね!お店」大賞 商店街の映画館 約束の「町おこし」実現

2024.02.05
ニュース丹波市地域地域注目

「丹波国際映画祭」のポスターやチケットを手に、「ひょうごいいね!お店表彰」の地域連携部門の大賞受賞を喜ぶ近兼さん=兵庫県丹波市氷上町成松で

映画館「ヱビスシネマ。」(兵庫県丹波市氷上町成松)が、商店街の個性あふれる店舗を表彰する県の「ひょうごいいね!お店表彰」で、地域連携部門の大賞を受賞した。市民が撮影に参加した映画制作や、「丹波国際映画祭」の開催など、市民を巻き込んだ映画での町おこしが評価された。支配人の近兼拓史さん(61)は「『映画館を作って町おこしをする』という地域の方々との約束を形にできつつある。ありがたい」と感謝する。

同劇場は、元暴力団事務所だった建物を買い取り、2021年に開館した。同劇場の完成までを描いた「銀幕の詩」の撮影には、小中学生ら200人以上の市民が参加。昨年は、同劇場など市内3会場で、国内外の12作品の中から観客投票でグランプリを決める国際映画祭を催し、2週間で3000人を呼び込んだ。

上映作品選びは、来場者が劇場内のノートに書くリクエストを参考にする。劇場慣れしていないお年寄りの客もいるため、入館方法を丁寧に説明。足が不自由で、遅れてくる人がいる場合、他の客に了承を得て上映時間を遅らせることもある。大型劇場ではできない、客との「キャッチボール」を日々心がけている。

近兼さんは「丹波を映画の町にしたい。市民が映画を見て、参加して、作るところまでをトータルでやり続けられるような文化を育てたい」と未来図を描く。

同表彰は9回目。同劇場は丹波市商工会からの推薦を受けた。丹波市からの受賞は、第7回の地域連携部門で優秀賞を受賞した和洋菓子店「丹波菓子Hiro正栄」(同市柏原町)以来。

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