政府の「デジタル推進委員」に任命されている兵庫県丹波市市島町の畑田達和さん(45)が、身体障がい者や高齢者たちが気軽に交流しながらスポーツを楽しめる場を目指し、電子機器を使った対戦ゲームをスポーツ競技として捉える「eスポーツ」の体験スペースを、同市春日、市島両地域で開設する。障がい者の雇用創出や、高齢者の身体機能が衰える「フレイル」の予防につなげたい考え。「eスポーツで丹波市を盛り上げたい」と意気込む。
“落ち物”パズルゲーム「ぷよぷよ」、リズム感が求められる「太鼓の達人」、ボールを投げる動作をして楽しむボーリングゲームが無料で体験できる。ニンテンドースイッチやパソコンなどのゲーム機器を準備する。
会場には「デジタル交流スペース」(参加費200円)も設ける。参加者同士で、なじみのある「ポケモンユナイト」や麻雀ゲーム、「ぷよぷよ」で対戦ができるほか、デジタル機器に不慣れな初心者は、畑田さんから、パソコンやタブレット、スマホなどの使い方のサポートを受けられる。
ゆくゆくは参加者同士でチームを組み、大会出場を目指す。また、eスポーツに関連したイベントも企画するという。体験スペースの運営スタッフとして、障がい者を雇用する考えもある。
畑田さんは、地域交流施設「芦田集学校」(同市青垣町田井縄)内で、オンラインゲームを介した交流スペースを開設。障がいや離職などで社会的な孤立を感じている人たちが、社会とつながれる場をつくってきた。
障がいのある人たちが、デジタル技術が必須なeスポーツに触れることで、新たな「仕事」を得られる可能性を見出す。「収益を得られる動画配信やeスポーツのイベント開催、ウェブ制作などに対する抵抗がなくなる」と期待する。
「やった分だけ技量に成果が出る」と、eスポーツの魅力を語り、「丹波市を代表するスポーツになれば」と夢を描く。
地域の情報PR会社「ご近所」(同市春日町中山)で毎月第3木曜日に開く。市島地域内では場所を変えながら、毎月第2木曜日に開設予定。今後、開設日を徐々に増やしていくという。