兵庫県丹波篠山市内の草むらに、思わずぎょっとするほど異彩を放つ鳥の姿。桃太郎のお供でおなじみ「キジ」だ。
尾も含めてオスは全長80センチ、メスは60センチ。本州、四国、九州に分布する。
今は繁殖期。オスは顔の赤い部分が肥大化し、ド派手スタイルに。「ケーン!ケンケーン!」と大きな鳴き声を上げながらメスを求める。赤い部分は横にしたハートのような形で、まさに恋愛モードだ。
狩猟対象だが、実は日本の「国鳥」。日本固有亜種であることや、人里の近くにいて馴染みがあること、オスは勇敢、メスは母性愛が強いことなどが理由という。
記者は桃太郎の次にキジで思い浮かぶのが、「キジも鳴かずば」の昔話。なんとも悲しい物語で、心に残っている。
そんな思いに浸りながらシャッターを切っていると、「ケーン!」と鳴いた。悲哀どころか、生命力に満ち溢れた一声だった。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)