兵庫県丹波篠山市曽地中の田園風景の中にぽつんとたたずむ一本の桜が満開を迎えている。2020年にこの世を去った俳優の三浦春馬さんが子役時代に出演した映画「森の学校」(2002年)のシンボルツリーだ。
樹齢約60年、高さ約13メートルのソメイヨシノ。映画のシンボル的な木で、パンフレットにもイラストで描かれている。三浦さんの逝去後、映画が再上映されたことで、市内のロケ地を巡るファンが増え、三浦さんが演じた役名から、この桜を「マト桜」と呼んで訪ねる人も多い。
近年、カビの一種が原因の「てんぐ巣病」にかかっていたが、木の所有者がいないため、住民やファンが市に要望し、ささやま桜協会によって治療が行われた。
今年も満開を迎え、生命力を感じる春がやってきた。地域の活性化、景観の美化など、桜にはそれぞれにストーリーがあり、目の前の一本にも、いろんな人々の思いが刻まれている。今年も咲いたよ。見てますか?