「紫のカーテン」 幻想的な光景広がる「フジ園」 地域繁栄願い夫婦で丹精

2024.05.02
地域自然観光

「紫のカーテン」と呼べるような光景を演出している藤棚=兵庫県丹波市市島町白毫寺で

「近藤フジ園」(兵庫県丹波市市島町白毫寺)で、鮮やかな紫色のフジの花が見頃を迎えている。近藤忠信さん(76)、賀代子さん(74)夫妻が「地域を盛り上げたい」と、自宅敷地内(約3300平方メートル)で栽培し、39年前から開園。フジだけでなく、多彩な約50種類の花々が咲き誇り、多くの来場客でにぎわっている。22日まで自由に入場できる。

花穂が長い「九尺フジ」は、鉄パイプで組んだ約10メートル四方、高さ約3メートルの藤棚に咲いており、「紫のカーテン」と呼べる幻想的な光景を演出。白いオオデマリや、ピンクのクリンソウ、青紫色の花びらが重なったジュウニヒトエなど、かれんな花々も開花している。

フジが開花後も花殻摘みを怠らない。枯れた後には、きれいに開花したフジへの感謝を込め、「お礼肥え」として肥料をまく。環境に配慮して無農薬で栽培する。

開園以降、二人が丹精するフジに感銘を受けた来園者らから花苗をもらうこともあり、フジ園に咲く花の種類が増えた。賀代子さんは「皆さんのきれいな気持ちがあってこそ、きれいな環境を維持できている」と感謝し、「フジが人を呼び、いろんな人との交流が生まれている。美和地区や市島町、丹波市の繁栄を願い、続けている」と熱を込めた。

フジは今週末まで見られそう。夜間にはライトアップも行う。入場無料。

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