兵庫県丹波篠山市が、同市役所でパラ陸上やり投げ選手、政成晴輝さん(26)=同市東岡屋出身、尼崎市=の「世界パラ陸上競技選手権大会」壮行会を開いた。同大会は17日、神戸ユニバー記念競技場で開幕した。政成さんは23日に登場する。政成さんは「最大限のパフォーマンスを発揮し、結果という形でハッピーを届けたい」と決意表明した。
政成さんは昨年4月の「日本パラ陸上競技選手権大会」で同世界パラ大会の派遣標準記録(51メートル70)を超える自己新の52メートル31を記録。今年3月に同大会出場が決まった。8月のパリ・パラリンピック出場への条件は同大会2位以内。政成さんによると、65メートル以上は必要という。
壮行会には市視覚障害者福祉協会の辻本一郎会長ら会員、篠山産業高校野球部、市民、市職員ら約200人が参加した。酒井隆明市長は「丹波篠山出身者で冬の五輪出場者はいるが、夏の五輪・パラの出場者はいないので夢が膨らむ。みんなの希望の星」と激励した。
また、政成さんの出身の篠山中学校で野球部顧問を務める山内大輔さんが「フレー、フレー政成」とエールを送り、参加者も盛り上げた。
政成さんは、篠山少年野球団、中学硬式野球「ベースボール・ネットワーク」出身。篠山中3年時に指定難病「レーベル病」を発症。強豪校の鳥取城北高で硬式野球部に入り、視力が落ちる中、ノッカーや守備練習を手伝い、同部の甲子園出場時には応援団長を務めた。スポーツ体験イベントをきっかけに在学時からやり投げを始め、現在はコカ・コーラボトラーズジャパン所属のパラアスリートとして講演活動などを行っている。