2025年の大阪・関西万博で8人の専門家がつくる「シグネチャー(署名)パビリオン」の一つに、兵庫県丹波篠山市今田町の丹波焼を含む「六古窯日本遺産活用協議会」が協賛。各産地でパビリオンの内装の一部となる「クレイバー」(レンガ)を制作しており、国内外の人々に日本のやきものの魅力を発信する。
クレイバーは長さ20センチ、幅4・5センチ、厚さ2・6センチ。音楽家、数学研究者、STEAM教育家の中島さち子さんがプロデューサーを務めるパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」で使用される。丹波焼をはじめ、信楽や備前など6つの産地で計4200枚を製作しており、水を意識したデザインに使われる。
800枚を担当する丹波立杭陶磁器協同組合は、組合員らがそれぞれの工房で制作中。焼成による収縮も計算した匠の技で規格の寸法に仕上げつつ、焼成方法などで少しずつ個性が出るという。
丹山窯の森本芳弘さん(58)は、「こういう形で万博に携わるとは思っていなかった」と言い、「国内外の人々に六古窯を知ってもらうチャンス。会場で丹波焼を知り、実際に今田町へ訪れてもらえたらうれしい」と笑顔で話している。