丹波篠山にルートイン開業へ 来年2月の竣工予定 和モダンの最上級ブランド

2024.05.21
地域注目観光

「グランヴィリオホテル丹波篠山 和蔵」の完成予想図

ビジネスホテルなどを展開する「ルートインジャパン」が兵庫県丹波篠山市の城下町内で開業予定のホテルについて、21日に起工式を開き、来年2月14日の竣工を目指すことが分かった。このほど丹波篠山市民センターで開かれた近隣住民への説明会で、「ルートイン開発」(長野県上田市)などが明らかにした。また、計画当初に「ルートイン丹波篠山」(仮称)としていた名称は「グランヴィリオホテル丹波篠山 和蔵」(仮称)とする予定で、ルートイングループの中でも最上級のブランドという。

建設予定地は同市南新町、小川町、東新町にまたがる土地で、ホテル所在地の住所は今後決める。事業面積は約4200平方メートル、建築面積は約1500平方メートル。建物は鉄骨造り3階建てで、本館と別館をL字型に配置する。客室数は105室を予定し、大浴場やレストランを備える。

白壁に瓦屋根風の外観で、重要伝統的建造物群保存地区の河原町妻入り商家群が目の前にあることから、周辺の景観と調和するよう配慮するという。

説明会で示された計画では、今月から仮囲いや事務所を設けるなどの作業に着手。6月から基礎工事が始まる。

同社は、ホテルの名称について、「和モダンを意識したルートイングループのブランド。同じ名前のホテルが広島の宮島などにもあり、観光要素をふんだんに取り入れたホテル」と説明した。

城下町内でのホテル建設計画について開かれた住民説明会=兵庫県丹波篠山市黒岡で

出席した住民からは「ようやく工事が始まる。一部の住民は不安に思われる方もあるが、おおむね歓迎し、期待している」という声があったほか、安全な工事を求める要望があった。

同ホテルを巡っては、グループの永山勝利会長が、丹波篠山の町並みや景観を気に入り、建設を計画。2017年に出店の意向を示した後、周辺の一部住民らが景観への影響や条例の問題などを理由に市を相手に開発許可の差し止めや取り消しを求めて訴訟を起こしている一方、地元の篠山地区自治会長会は建設に賛成する署名を提出するなどしている。

同社は景観に調和する建物への計画変更やコロナ禍、建築資材の高騰、裁判の推移を見守っていたことなどもあって事業着手が遅れていたが、コロナ禍が収束したことなどから計画を再開していた。

同社は国内外344カ所でホテルなどを運営しており、グループ全体での売上高は昨年3月末実績で約1481億円。

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