兵庫県丹波市青垣町中佐治と京都府福知山市談を結ぶ国道429号・榎峠バイパス(2・4キロ)のトンネル工事の着工を祝う会が、同市談の掘削地近くであった。長年、バイパス化を要望し続けてきた地元住民や関係者ら73人が出席し、両地域の交流が促進されることに期待を膨らませた。トンネルの全長は約1・1キロで、掘削工事が7月から始まる予定。
祝う会を主催した同国道改修促進同盟会長で、福知山市の大橋一夫市長や、副会長の林時彦・丹波市長、谷公一・衆議院議員、西脇隆俊・京都府知事、服部洋平・兵庫県副知事らがあいさつ。工事の安全を祈念して鍬入れを行った。
林市長は「交通隘路の問題の早期解消は、両市の地元住民の悲願。地元協議会が諦めることなく、長年粘り強く要望活動に尽力いただいた賜物」と話した。
府県境に位置する榎峠は、急カーブが連続し、道幅が狭く、車両のすれ違いも困難。特に冬場の通行が難しく、豪雨などの災害時には通行止めも頻発し、日常的な利用がためらわれている。1993年に青垣町と福知山市で道路改修を求める同盟会を発足させた。
バイパス化工事は、兵庫県と京都府の共同事業で、総事業費は70億円(兵庫県34億、京都府36億円)。2020年度に着手し、26年度末に完成予定。
完成後は、現行道路と比べ、通行時間が約15分短縮される計算。丹波医療センター、福知山市民病院への緊急搬送時間の短縮や、両地域の観光振興などが期待される。