特産生かした和風餃子 旧宿場町に専門店オープンへ 変わり種の「甘味」も

2024.05.28
丹波市地域注目

提供する3種の餃子

黒豆や大納言小豆といった兵庫県丹波市特産の食材をふんだんに使った和風餃子専門店「丹波松ちゃん餃子」が6月1日、同市春日町国領でプレオープンする。新型コロナウイルスの影響で、神戸市で営んでいた餃子店をたたんだ松岡伸郎さん(53)=同市東灘区=が再起。松岡さんは「餃子を武器に『丹波市』をアピールしたい」と意気込む。

提供する餃子は3種類。「松ちゃん餃子」は、黒豆きな粉を練り込んだ茶色い皮が特徴。具材に使用するニンニクも丹波市産で、黒豆きな粉のほろ苦い味わいが相まって酒が進む。神戸の店で人気を呼んだシソ入り餃子も出す。

変わり種は、大納言小豆を炊いたあんを黒豆きな粉の皮に包み、黒豆きな粉をまぶして味わうスイーツ風の「丹波甘味餃子」。松岡さんは「コーヒーにも合う。『丹波に来たら食べて帰ろう』となるぐらいの名物にしたい」と話す。

特産を生かした餃子専門店「丹波松ちゃん餃子」をオープンする松岡さん=兵庫県丹波市春日町国領で

冷凍餃子も用意する。ビールやチューハイといった酒類や、コーラ、コーヒーなどのソフトドリンクも提供する。

空き家1階の一室(約13平方メートル)を厨房兼飲食スペースに活用。座席は7席で、家のリビングのような飾らない雰囲気が漂う、客との会話が弾むレイアウトにした。

東灘区で餃子店「けやきや」を3年半営んだが、新型コロナの影響で売り上げが悪化し、昨年9月に閉店。丹波市市島町のパン店「市島製パン研究所」と春日町国領の喫茶店「純喫茶国領」を営む三澤孝夫さんと知り合い、丹波での再起を勧められた。宿場町として栄えた国領を活性化させたい三澤さんの思いに共感し、開業を決心した。

空き家を改装した店の外観

開業準備を進めながら純喫茶国領の厨房にも立ち、「松ちゃん餃子」を提供。リピーターがつき、手応えをつかんだ。「けやきや」も閉店後に常連客から再オープンを待ち望む声があり、灘区に移転し、復活することにした。平日は神戸で、土・日曜は国領で開店する。

「地元(神戸)では、会う人会う人に『丹波と篠山がごっちゃになる』と言われる。寂しい。景色がきれいで、食材が豊富な丹波市をもっとアピールしたい」と話す。

営業時間は午後5―9時。本格オープンは8日から。

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