「キエたん」やってきた 給食野菜くずなど分解 5歳児が”お仕事”

2024.06.23
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伊藤さんから「キエたん」の説明を受ける園児ら=兵庫県丹波市山南町谷川で

兵庫県丹波市山南町谷川の認定こども園みつみ(赤井由紀子園長)が、子どもたちと一緒に持続可能な開発目標(SDGs)に取り組もうと、給食調理の際に出た野菜くずなどの生ごみを土に返す取り組みを始めた。同市春日町の「平松区森林愛好会」が製作している木製生ごみ処理容器「キエたん」1台を園庭に設置。土中の微生物の力で生ごみを分解する仕組みで、毎朝、5歳児が当番制で生ごみをキエたんに埋めている。

同愛好会の伊藤忠嘉会長と金川俊昭さんが5日、同園を訪れ、キエたんを届けた。通常は畑の土を入れて使うが、同園のキエたんには同愛好会が作っている竹チップを入れた。伊藤さんは、いろいろな菌が生ごみを消化して、1週間ほどで“消える”ことを子どもたちに伝え、「『キエたん』の名前も覚えてね」と看板もプレゼントした。

竹チップの土を掘って、野菜くずを埋める園児ら

同園栄養士の大矢梨江子さんは「未来ある子どもたちが関わってくれることにも意義があると思う」と期待し、5歳児の藤原唯人さんは「野菜が消えたら栄養のある土になるのが不思議」と話していた。

同園は、7月に開かれる市給食施設協議会でこの取り組みを発表する予定という。

キエたんは2022年に開発。通気性が良いため臭いが発生しない。地元の間伐材で製作しており、山の資源の循環にもつながっている。個人での購入には市の半額補助(上限1万円)が受けられ、市環境課によると、22年度は150基、23年度は26基の申請があった。今年度も受け付けている。

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