兵庫県丹波市山南地域の農家とバイヤーが6次産業化を計画し、大粒の「リゾット米」の栽培を始めた。同米でイタリアの米料理「リゾット」を作り、「丹波さんなんリゾット」の名称で売り出す。今年度は1軒の農家が栽培。「賛同農家を募り、山南を盛り上げる起爆剤にしたい」と張り切っている。
農業、中西哲也さん(45)=同市山南町太田=と旧知の農産物のバイヤー、「丹波ろじべじ」の清水紀光さん(45)=同県丹波篠山市、山南町出身=が、地域を盛り上げようと企画。盛んに作られるコシヒカリは価格競争が激しく、コシヒカリ以外で付加価値が付けられる米をと、飲食店から「リゾット米」の引き合いがある清水さんが、中西さんに栽培を提案した。楕円形でコシヒカリの1・5倍ほどのサイズ。べたつかない特徴がある。
30アールで作付。5月16日に田植えをし、収穫は9月10日ごろの予定。コシヒカリよりやや多い収量が見込めるという。
農業、西垣健太郎さん(50)=同町太田=が栽培する有機ミニトマトを使い、レンジで加熱して食べる冷凍食品のリゾットや、スペインの米料理パエリアをOEM(相手先ブランド製造)で商品化し、年内に販売する計画。味付けは、清水さんの知り合いの料理人の力を借りる。
清水さんは「これからの商品作りは、地域活性化の観点が必要。年々栽培者が増え、地域が盛り上がっていけば」と期待する。中西さんは、「全国の人に食べてもらえるように育てたい。学校給食に納入もできれば」と夢を描いている。