兵庫県丹波篠山市奥県守(おくあがたもり)の法円寺で初夏を彩る花「ササユリ」が見頃を迎えている。 日本を代表するユリ。同寺では急峻な斜面一帯に白やピンクの大輪が数えきれないほど見て取れ、境内に芳しい香りを漂わせている。うつむき加減に咲いた花はそよ風を受け、しなやかに揺れている。
同寺の原彰道住職(81)の見立てでは、見頃は20日近くまで続く予想。「どうぞ、自由に見学してください」とほほ笑み、「境内全体でざっと1000本は咲いているでしょう。つぼみはその倍近くあるのでは」と話している。
30年ほど前、境内の山際に祭った観音像の周囲に数本のササユリを確認。その後、行政が獣害対策の一環で、集落の林縁部全域に金網を張り巡らせたため、ササユリを食べるシカやイノシシが境内に侵入できなくなったため、どんどん株が増えていったという。
ササユリは、丹波篠山市の市花。花言葉は「上品」「清浄」。