兵庫県丹波市の魅力を交流サイト(SNS)などで発信する初代「観光アンバサダー」に就任した同市出身の俳優、新木宏典さんの任命式が、同市内であった。全国各地から応募があり、新木さんと共に市の情報発信に注力する「観光サポーター」に選ばれた36人も出席。林時彦市長から任命証を受け取った新木さんは「四季が感じられる丹波市の魅力をみっちりと宣伝していきたい」と意気込みを語った。任期は3年。
市の観光サポーターには、定員の40人を大幅に超える247人の応募があった。任命式には北は福島、南は島根から出席者があった。
昨年、新木さんが市の魅力を紹介するフォトブックを発売して以降、多くのファンが掲載された場所に「聖地巡礼」として足を運び、市に経済効果をもたらしている。
新木さんはファンに対し、「日頃、応援してくださっている皆さんが丹波市に来て、市民に迷惑をかけることなく、純粋に楽しんでくれた結果」と感謝。同市の魅力を「来なきゃ分からない。一番好きなのは湿度が低いところ。汗をかいても、雨に濡れてもべたべたしない。ずっと気持ち良い」と熱弁した。
出席した観光サポーターと意見交換する場面もあり、新木さんと一緒に市内を巡るバスツアーや、健康に配慮し、同市産の野菜や果物を使った自炊レシピの公開など、市の魅力を周知するためのアイデアを出し合っていた。
福島県から訪れた原田麻美さんは「(新木さんが参加した)去年の織田まつりにも来た。丹波市は行く先々でみんなが優しい。新木さんと共演する俳優を好きな人にも、SNSで丹波の魅力を伝えたい」とほほ笑んだ。
新木さんは、10万人以上のフォロワーがいるX(旧ツイッター)やインスタグラムといったSNSで積極的に同市の情報を発信。また、スケジュールの調整がきく限り、市内で開かれるイベントにも参加したいという。
任命式後に行われた会見で、新木さんは「フォトブックを制作するだけではもったいないと思っていたので、観光アンバサダーのオファーを頂けたのはありがたく、『次にできることがある』と思い、うれしかった」と言い、「市の見た目はあまり変わってほしくない。田舎の良さをなくさず、無理のない範囲で、いつでも人を受け入れられる環境を」と願った。