篠山産業高校同窓会長を25年 栁田昌三さん(丹波篠山市)

2024.06.30
たんばのひと

栁田昌三さん

地域貢献する人材育成を

1999年から務めてきた篠山産業高校同窓会長を、今月9日に開かれた理事会をもって退任した。御年90歳。会長として務める最後の理事会では、年齢を感じさせない軽い足取りで席から席へと移動し、よどみのない口調で議事を進行。四半世紀にもおよんだ大役を見事に務め上げた。「現在までに送り出した産高卒業生は2万3500人超。各地で素晴らしい活躍をされ、地域の発展に大きく寄与されていることを誇りに思う。われらの母校がさらに歴史を重ね、地域に期待され、貢献する人材育成を目指して発展されることを願います」

元高校教諭で、9年半、校長を務めた。教師人生の振り出しも締めくくりも篠山産業高校だった。

丹波市春日町柚津出身。6人きょうだいの長男で農家の生まれ。「当時は農業が重要視される時代で、農家の跡取りは農高へ、その嫁になるなら農高へという時代」。その言葉通り、産高農業科へ進学。兵庫農科大学(現・神戸大学農学部)の畜産学科をへて高校教師の道へ。淡路養護、氷上、篠山産業の順に校長を歴任。現役最終年の94年、産高創立60周年を迎え、それを記念して設置した石碑に座右の銘「継続は力なり」を記した。石碑は今も正門のそばに鎮座し、産高生たちの人生の指針となっている。

現在もゴルフは月3回程度、硬式テニスは週2回、半年前からは毎日7000歩のウオーキングで汗を流している。「もう社会貢献はできないが、体はいくらか元気なので、健康で家族と共に豊かな生活を送ることが、今の私にとっての大切な仕事だと思っている」とほほ笑む。

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