餌ちょーだい 屋根の上で追いかけっこ イソヒヨドリ巣立ちびな

2024.06.26
丹波篠山市地域自然

餌のカナヘビを丸のみにしたイソヒヨドリの巣立ちびな。くちばしからはみ出したしっぽを見つけて、分け前をもらおうと駆け寄るきょうだい=兵庫県丹波篠山市今田町で

兵庫県丹波篠山市今田町の農業倉庫の屋根で、イソヒヨドリの巣立ちびな3羽が、にぎやかに「ヒッヒッ」と鳴いて親鳥に餌をねだったり、きょうだいで餌を奪い合ったりする姿が見られる。屋根や電線の上でちょこまかと動き回る3羽の巣立ちびなを確認。親鳥が戻ってくると姿勢を低くし、羽をばたつかせながら鋭く鳴いて餌をせがんでいた。

1時間半ほど観察したところ、餌を運んでくるのは雄ばかり。餌の中身はガやイモムシ、カエルが確認できた。カナヘビを運んできた際、受け取ったひなは、他のきょうだいに取られまいと慌てるようにして丸のみにしたが、大き過ぎたため、くちばしから長いしっぽがだらりとはみ出す始末。それを見つけた他のきょうだいが「私にもちょーだい」と言わんばかりにぴょんぴょんと跳ねるようにして駆け寄り、取られまいとするひなと追いかけっこになっていた。

羽をばたつかせながら激しく鳴いて雄の親鳥に餌をせがむ巣立ちびな

巣立ち後、20日間前後、親鳥から餌をもらいながら過ごすという。

全長23センチほど。もともとは海辺にくらす鳥で、内陸の丹波地域では、一昔前までは見られなかったが、建物の屋根の隙間などで繁殖するようになり、20年ほど前からよく観察される身近な鳥になった。

雄は頭からのど、背中にかけて鮮やかな青色で、腹が赤茶色という目立つ姿をしているが、雌は全体的に灰褐色で地味。巣立ちびなの姿は雌に似る。名前にヒヨドリとあるが別種で、ヒタキ科。

【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)

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