兵庫県丹波市青垣町西芦田集落の中にある4地区の一つ、西部谷地区(24戸)が、災害発生時に、家族の無事が確認できた場合には黄色いハンカチを玄関に掲げるなど、万一の場合の独自の取り組み「互近助さま」を始めた。このほど行われた丹波市一斉クリーン作戦の際に、ためらわずにハンカチを出す“訓練”を実施。地区内全家庭の無事を5―6分で確認できたという。同地区の隊長、小川務さんは、「災害時にいち早く、何かあった人に気づくのが目的。この日だけの単発で終わることなく、根付かせていかなければ」と話していた。
昨年度、同集落を含む芦田自治振興会が「もしも」の際の備えとして緊急連絡先などを書いておく「芦田あんしんカード」を全戸配布した。これを受けて同地区は、情報連絡、救出救護、避難誘導など5つの班からなる自主防災組織をつくり、全戸が集まる集金常会の際に研修会を実施。黄色いハンカチのほか、▽高齢者などのリスト表を活用し、優先して避難支援に当たる▽出火時には近隣の消火器も貸し借りし、いち早く火災を食い止める―の3つを柱にした「互近助さま」に取り組むことにした。
毎年、同クリーン作戦の後に消火栓の点検をするのが恒例で、その際に各戸が黄色いハンカチを掲げた。そろいのハンカチを全戸に配布したが、もともと家にある黄色いタオルやTシャツなどでもよいとしている。静岡県富士宮市での取り組みを参考にした。
小川さんは、「訓練とはいえ、全家庭に黄色いハンカチが掲げられているのを確認し、うれしかった。無事を知らせることで、近所の人たちもほっとできる。これからの防災活動に生かしていき、さらには他の地区にも同様の取り組みが広がっていけばうれしい」と話している。