兵庫県丹波篠山市内の水辺で野鳥「カイツブリ」のひなが誕生。親鳥の背中に乗ったり、よちよち泳ぎに挑戦したりと、元気いっぱいに成長している。
成鳥は全長26センチほどで、季節的な移動をしない留鳥。潜水が得意で、小魚やエビ類などを食べて暮らす。黒と赤茶色の親と違って、ひなたちは頭や首に特徴的な白黒の斑紋があり、目の色も違う。
6月下旬から抱卵していた親鳥。およそ25―30日もかかったが、無事に5羽がかえった。
ひなたちはおんぶのように親の背中に潜り込んでは天敵から守ってもらったり、エサを運んできてもらったりしながらすくすく育っている。
親の行動や気配り、ひなの甘えん坊な姿がとても人間的に思え、まるで人の親子を見ているかのよう。鳥に感情があるのか、科学的に測定する手段がないとされるが、きっとひなたちは親が大好きで、親はひなたちのことを宝物だと感じていると思えて仕方がない。
手厚い子育ても今だけ。ひなが自分でえさを捕れるようになると、追われるように巣立つ。ヘビやイタチなどの天敵もおり、ひな全員が大人になれるかもわからない。
これからのことはわからない。それでも、目の前にいる「一家」はとても幸せそうで、少し泣けた。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)