「キノコの女王」と呼ばれるキヌガサタケが3日、兵庫県丹波市山南町の人家裏で見つかった。白いレース状の傘を優雅に開いており、家人の依藤和枝さん(75)は「本当にドレスのよう。珍しいものが見られてうれしい」と声を弾ませていた。
わずか数時間で成長し、半日で倒れてしまうという不思議なキノコ。依藤さんによると、前日夕方に通った時には生えていなかったという。3日午前8時ごろに見つけた時は、すっかり成長した姿になっていた。
長さは約25センチ。割れた茶色い卵のような部分から白い柄がにょっきりと伸び、菌網のてっぺんに暗緑色の帽子のようなものが付いている。「グレバ」と呼ばれるこの部分で胞子を含んだ粘液がつくられ、臭いで呼び寄せられた虫に運ばせるという。
海外では食材として使われるそう。依藤さんは「ちょっと食べる気にはならないですね」とほほ笑んでいた。