一般社団法人「あおぞら」代表理事 尾﨑香織さん(朝来市)

2024.07.07
たんばのひと

尾﨑 香織さん

支え合う地域を目指す

丹波市青垣町東芦田でカフェ「ゲンテン」を営む傍ら昨年9月、一般社団法人「あおぞら」を立ち上げた。引きこもりや不登校、軽度障がいなどの子どもの自立に向けた支援や、子どもから高齢者まで誰もが心豊かに暮らせる地域づくりを目指す。カフェ近くの水田で5月、田植え体験を行い、7月末には、そば打ちを予定している。

尾﨑さんの長男には軽度の障がいがあり、中学卒業を控えた時期、進路に悩んだ。通信制の高校が見つかり、安堵したが、将来を考えた時、自立への道筋に不安がぬぐえなかった。知り合いの社長に不安を打ち明けたところ、週に1度、通信制の学校に通いながら正規雇用してもらえることになった。

その後、似た境遇の親から相談を受けた。再び、その社長に相談したところ、受け入れてもらい、尾﨑さんの長男と共に雇ってもらった。「17歳になった長男は今、その子と助け合いながら働いています。息子以外にも就職までつなげられたことから、社会になじめない子をさらに支援できないかと考え、『あおぞら』を立ち上げました」

6月にあったトライやる・ウィークで受け入れた中学生3人にクッキーを作ってもらい、近くの一人暮らしの高齢者に手渡した。これも「あおぞら」の活動。「心通わせ、助け合った昔の農村に見られたコミュニティーを取り戻したい」。そば打ち体験は、地域の人や中学生が一緒になって、そばを打ち、このそばも高齢者に配る予定。

「あおぞら」の趣旨に共鳴した20社の事業所や個人が賛助金を出し、活動を応援。労力を提供してくれる人もいる。今後、地域住民も参加した各種の行事を予定している。38歳。

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