制限時間を緩和へ 伝統ある「ABCマラソン」 2人で走る「リレー」導入も

2024.07.01
地域注目

制限時間の緩和などを決めた実行委であいさつする酒井市長=兵庫県丹波篠山市黒岡で

兵庫県丹波篠山市で来年3月2日に開催予定の「第45回丹波篠山ABCマラソン」の実行委員会が、同市内で開かれ、▽定員を1万人から8000人にする▽制限時間を緩和し、5時間20分から「6時間半」にする▽2人1組でフルマラソンの距離を走る「リレーマラソン」を新たに導入する―ことを決めた。コロナ禍以降、定員を大きく割っている状況を受けて改革に着手。事務局は、「全国にたくさんの大会がある中、ABCマラソンも変わっていかないと選ばれない」とし、「ランナー目線だけでなく、地域がさらに盛り上がるような仕組みにし、『生まれ変わった』と言われるようにしていく」と話している。

定員は近年の状況から判断し、2000人減らした。近年の定員割れを受け、これまでから実行委の中で「一番のネックは制限時間。新しいランナーを迎え入れようとするならば、制限時間を延ばすべき」などの意見が出ていた。そこで制限時間は、1時間10分延長。合わせてスタート時間を午前9時半に前倒しする。

リレーマラソンは2人で42・195キロを走るもので、1区(19キロ)と2区(23キロ)に分ける。100組200人を定員とする。フルマラソンと違って非公認だが、近年、全国の大会で人気を呼んでおり、事務局は、「2人で走る楽しさや喜びを得られるほか、参加した人が『次は1人でフルマラソンに』などと、次の大会参加につながるようにしたい」と期待する。

人数減や物価・人件費の高騰により、参加料は1万円(前回8700円)とした。リレーマラソンは1組1万2000円。

長い歴史を持ち、農村風景と市民のおもてなしが好評の大会だが、参加者は減少傾向。今年の44回大会は定員1万人に対して、5331人にとどまった。事務局は、「人気がある都市部の大きな大会は制限時間が7、8時間のため、ABCは〝厳しい大会〟と判断されたことが大きい」と分析。「(厳しさが)伝統でもあったが、制限時間の緩和やリレーマラソンなどの導入で、生まれ変わったことのPRにも力を注ぐ」とする。

制限時間の延長については、「これまでからABCの日にはお店を閉められたり、移動が難しくなったりするなど、ご迷惑をおかけしている部分もある。ただ、多くの場所で規制時間を前倒しし、解除は早くなる」と言い、「さらに地域の活性化につなげる大会に生まれ変わらせていきたい」と理解を求めた。

委員からは、「制限時間を延ばすことでビギナー層だけでなく、高齢のマスターズ層も増えると思うので、PRが重要になる」「制限時間が延びることでランナーが増え、完走率も高まる。前半よりも後半のしんどい所でおもてなしのスポットが必要になるのでは」などの意見があった。また、「いろんなお店があることもお知らせし、参加したランナーにリピーターになってもらう仕掛けも必要では」という声もあった。

酒井隆明市長は、「市民マラソンの草分けと言われた大会。これからも市を挙げて盛り上げていきたい」とした。

申し込みも例年より前倒し。丹波篠山市民の申し込みは、8月19日から30日まで。一般申し込みは9月2日から11月29日に受け付ける。定員に達し次第、締め切る。

関連記事