古豪氷上が通算43回目の夏へ 県制し「王者の貫禄」 8大会連続インターハイ

2024.07.13
地域注目

県総体優勝を果たし、インターハイに出場する氷上高女子バレーボール部の部員たち=兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県内屈指の強豪、氷上高校女子バレーボール部が同県加古川市などで行われた県総合体育大会で優勝を果たし、8大会連続、通算43回目となる全国総合体育大会(インターハイ)への出場を決めた。いずれも地元の丹波市立市島中学校出身の2年生、井上楓恋さんと藤原彩葉さんが3回戦以降の全試合でスタメン出場し、優勝に貢献した。同部で県総体に出場した同市出身者は、プロのVリーグ・ヴィクトリーナ姫路で活躍する足立溜奈さん(23)以来。インターハイは26―29日に大分県で行われる。

準決勝の日ノ本学園戦、決勝の神戸常盤女子戦ともに一時は大きくリードを許したが、ミスが出るとコートの中心に選手が集まり、目を閉じて手をつなぐことで落ち着きを取り戻し、劣勢をはねのけた。結果、大会を通じて1セットも落とさず王者の貫禄を示した。

井上さんは身長168センチのオポジット。貴重なサウスポーで、力強いスパイクが持ち味。藤原さんは175センチと希少な高身長セッター。高い打点から柔らかいタッチで、味方が打ちやすいトスを上げる。

藤原さんは、全国大会の「春高バレー」出場を懸けた1年時の県大会や新人戦でも出場し、井上さんは初の公式戦出場。緊張もあったというが、二人とも主力選手として安定感のあるプレーで躍動した。

インターハイの目標は「日本一」と声をそろえる二人。井上さんは「氷上のライトはキャッチもスパイクもブロックも全部できないといけない。練習でやってきたことを出したい」、藤原さんは「負けている場面でも強気な速いトスを上げたい」と意気込む。

西村心花主将(3年)は「3年生が7人と少ないけれど、下級生の力も借りて優勝できてほっとしている」と言い、インターハイに向けて「スパイクとレシーブの甘い部分を強化していきたい」と力を込めた。

アジア大会で銀メダル U18日本代表の溝上さん

アジア選手権大会で獲得した銀メダルを手にする溝上さん=兵庫県丹波市春日町黒井で

氷上高校女子バレーボール部の溝上愛那さん(2年)が選出されたU18(18歳以下)日本代表が、6月にタイで開催されたアジア選手権大会で銀メダルを獲得した。身長177センチのミドルブロッカー。9連覇こそ逃したが、スタメン出場したグループステージの2試合で得点を重ね、チームに流れを呼び込んだ。

昨夏に優勝したアジアU16(16歳以下)選手権大会に続き、日本代表に選出された。

グループステージのイラン戦とフィリピン戦でスタメン出場。イラン戦では接戦となったセットでBクイックから得点し、連取の流れをもたらした。フィリピン戦ではクイックやバックアタックなどで得点を重ねた。この他の試合や、敗れた決勝の中国戦などでは途中出場した。

「U16の時より守備力があり、ブロックが高かった」というレベルの高い相手に対し、フェイントを使ったアタックや、外にはじくブロックが決まり、プレーの幅が広がったと実感している。

「大会の後半に進むにつれて、チームがまとまっていった。いろんな選手の意見に触れられる良い機会になっている。プレー面でも、精神面でも成長できている」と言い、「目標はVリーグに入ること」と高みを見据えている。

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