「絵本専門士」に認定 前川往代さん(丹波市)

2024.08.04
たんばのひと

前川往代さん

絵本の魅力広く伝える

絵本に関する高度な知識、技能、感性を備えた専門家「絵本専門士」に認定された。本職は認定こども園わだ(丹波市山南町和田)の副園長。保育士として長年、絵本の読み聞かせをしながら、「絵本についてもっと深く学べば、生かし方が変わってくるのでは」と資格取得のチャレンジを決めたという。

2014年に創設された、国立青少年教育振興機構による民間資格で、全国で637人、兵庫県では16人が認定されている。受講は“狭き門”で、70人の定員に対して今年は1300人の応募があった。

「読み聞かせをしながら、自分も感動して泣くこともある」という、根っからの絵本好き。「絵本には答えがない。どう捉えてもいいし、どういう感想を持ってもいい。誰の心にも寄り添って『それでいいんやで』と認めてくれる」

国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で、昨年6月から今年1月にかけて、計10日間、30コマの講義を受講した。講師陣は学習院大学教授の秋田喜代美さん、ノンフィクション作家の柳田邦男さんら多彩な顔ぶれで、さまざまな角度から絵本について掘り下げて考え、ブックトークやお話会のテクニックなどの技術も学んだ。

今後は、親子向けの読み聞かせなどで、作者の経歴や時代背景なども調べ、より深く魅力を伝えていきたいと考えている。
講座では、大人ばかりで絵本を語り合う会を開いている人など、さまざまな受講生と出会った。「絵本は、大人ものめり込めるものだと分かったことが一番の収穫。地域で、大人向けの活動もできれば」と夢を抱いている。47歳。

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