子ども向け文庫主宰し二十数年 今西茂子さん(三田市)

2024.08.11
たんばのひと

今西茂子さん

最適な時期に最適な本を

丹波篠山市今田町下立杭の窯元群にある「文庫『もりのなか』こどものとしょかん」を主宰する。2001年に開設。コロナ禍前に予定していた20周年記念の催しを今年度開くとともに、利用者の子どもたちの創造作品を同文庫で展示する「もりのなかギャラリー」を始めた。「子どもたちの成長を共に喜び、次世代を担う子どもたちを励まし、親バカを奨励し、子どもの成長と親の子育ての力になりたい」

小学校の時から「図書館にある好きな本は全て読んだ」。篠山産業高校では図書委員を務め、「大好きな本に囲まれ、幸せな時間を過ごした」と同時に図書館司書の仕事を知った。36歳の時に同資格を取得。現在も、児童文学、絵本、昔話、ヤングアダルト文学について学んでいる。

文庫には今西さんが「子どもたちに出合ってほしい」と選んだ赤ちゃん絵本から高校生向けの約5000冊が並ぶ。毎週水曜と第2土曜の午後2―7時に開館。「一人ひとりの子どもに最適な時期に最適な本を薦めている」。特に読み継がれてきた古典的な名作を選書。「古典は未来の子どもへの文化財。普遍的な価値が書かれている」と話す。

利用者は神戸市や丹波市からもあり、開設20年を超え、懐かしんで訪れる幼稚園教諭も。中には、東大寺学園中高(奈良)に進学し、現在、日本の読書教育を変えようと、米カリフォルニア大学バークレー校で教育学を学ぶ若者も。「子どもたちの成長がうれしい。本の楽しみを次世代に伝えてくれている」とやりがいを感じている。
丹波篠山市今田町休場出身。

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