エコハウス大賞奨励賞の建築家 芦田成人さん(丹波市)

2024.09.15
たんばのひと

芦田成人さん

環境配慮の家造り評価

自身が設計した作品名「中庭のある家」がこのほど、住宅専門誌「建築知識ビルダーズ」主催の脱炭素時代の住まいを探る実例コンテスト「日本エコハウス大賞」新築部門で奨励賞を受賞した。全国約150作品の中から、グランプリ、最優秀賞など上位10作品に次ぐ賞。耐震性、環境への配慮、創エネルギーなど、それぞれが考えるエコ住宅の在り方を提案するもので、業界では名だたる建築家や工務店が顔をそろえるという。

一昨年に続き2度目のチャレンジで初受賞した住宅は、家族3人が住む木造2階建て。「コスト面で手の届くエコハウスにしようと窓周りの仕様を見直した」。日が差し込む南側の窓枠は熱を通しにくい木製にし、結露や日照を調整できるようにガスを封入したペアガラスを採用するなど断熱性を高めた。また、敷地内に家庭菜園を設け、「自分で作ったものを食することも創エネ」と提案した。

「腕試し」と言いつつ「まだ“上(の賞)”がある。賞を取るために仕事をしているのではないが、自分の家造りがどこまで評価されるか、試してみたい」

大学を卒業後、大阪の設計事務所に勤務。マンションの検査をした際、目を開けていられないほどの痛みが襲った。まだシックハウスが認知されていない頃。「人がこんな所に住んでいていいのか」「自分が目指す建築は今のままでいいのか」―。独立を考えるきっかけとなった。

2002年に帰省し、建築設計事務所を設立。以来、国産材を使った環境に配慮した家造りを研究し、古民家のリノベーションなども手がける。「客目線を大事に、コンテストで評価された提案を生かしていきたい」。55歳。

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