総事業費約2・6億想定 温浴施設を「道の駅」に 農産物直売所や広場造成

2024.09.08
丹波篠山市地域注目

こんだ薬師温泉を道の駅として整備する投資的事業の妥当性を審査する「丹波篠山市財政持続的発展計画推進委員会」の委員と市の担当課職員=兵庫県丹波篠山市北新町で

兵庫県丹波篠山市今田町の温浴施設「こんだ薬師温泉ぬくもりの郷」を道の駅として整備し、2026年度下半期の開業を目指す投資的事業の妥当性を審査する「第1回丹波篠山市財政持続的発展計画推進委員会」が同市役所で開かれ、投資的事業としての選定基準を満たしていると判断した。来年度、道の駅の登録要件となる▽道路休憩施設▽情報発信施設▽地域振興施設―の機能を満たす整備工事を行い、26年4月の道の駅登録を目指す。

市は、委員に対し、既存施設の活用を基本とし、▽農産物直売所の増築・改修(7510万円)▽芝生広場・展望デッキの造成(6000万円)▽駐車場増設・改修(1860万円)▽駐車場へのアクセス道路の新設(2600万円)▽24時間利用可能トイレの新設(3500万円)▽道路・観光情報提供設備の新設(570万円)▽国道からの案内表示板の設置(2000万円)―などの整備イメージを説明した。総事業費は2億6250万円を想定しており、半分は国の補助金。

また、将来は、温泉施設北側のふるさと公園などの緑地エリアに、グランピング・キャンプ事業(利用者ニーズを把握しながら検討)を運営する民間企業を誘致することも計画している。

現在の入湯者数は年間約16万人。市は道の駅整備により集客力が増し、来場者は約50万人になると見込んでいる。

委員からは、「すでに集客のある施設を活用して造る。国庫支出金で、市の負担は1億3000万円程度とリスクの少ない良い計画」とする賛成意見があった一方で、「観光客の多くは、丹南篠山口インターを降りて城下町エリアを目指す。道の駅は、次の観光地に行くまでの間にあるのが理想。今田からどこを目指すのか。道の駅を造る必要性は弱い」「開業した後の運営が最も気になる。50万人を見込む来場者に対応し、その数を維持していける事業者があるのか」などの意見もあった。

同委員会は、委員が指摘した意見を付帯事項として付け加えることで、道の駅整備計画を了承した。

同温泉の経営は、指定管理者の「株式会社夢こんだ」が29年3月末まで行うことになっている。この契約期間内に道の駅が開業することになるが、市は、運営する組織・団体の決定は改めて協議するとしている。

同委員会(旧・篠山再生計画推進委員会)は、市が行う1億円以上の投資的事業に対し、▽必要性、優先性、有効性が極めて高いこと▽事業を実施しても、最新の収支見通しより大きく悪化する怖れがないこと―の選定基準を審査する酒井隆明市長の諮問機関。

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