兵庫県丹波篠山市今田町の温浴施設「こんだ薬師温泉ぬくもりの郷」を道の駅として整備し、2026年度下半期の開業を目指す投資的事業の妥当性を審査する「第1回丹波篠山市財政持続的発展計画推進委員会」が同市役所で開かれ、投資的事業としての選定基準を満たしていると判断した。来年度、道の駅の登録要件となる▽道路休憩施設▽情報発信施設▽地域振興施設―の機能を満たす整備工事を行い、26年4月の道の駅登録を目指す。
市は、委員に対し、既存施設の活用を基本とし、▽農産物直売所の増築・改修(7510万円)▽芝生広場・展望デッキの造成(6000万円)▽駐車場増設・改修(1860万円)▽駐車場へのアクセス道路の新設(2600万円)▽24時間利用可能トイレの新設(3500万円)▽道路・観光情報提供設備の新設(570万円)▽国道からの案内表示板の設置(2000万円)―などの整備イメージを説明した。総事業費は2億6250万円を想定しており、半分は国の補助金。
また、将来は、温泉施設北側のふるさと公園などの緑地エリアに、グランピング・キャンプ事業(利用者ニーズを把握しながら検討)を運営する民間企業を誘致することも計画している。
現在の入湯者数は年間約16万人。市は道の駅整備により集客力が増し、来場者は約50万人になると見込んでいる。
委員からは、「すでに集客のある施設を活用して造る。国庫支出金で、市の負担は1億3000万円程度とリスクの少ない良い計画」とする賛成意見があった一方で、「観光客の多くは、丹南篠山口インターを降りて城下町エリアを目指す。道の駅は、次の観光地に行くまでの間にあるのが理想。今田からどこを目指すのか。道の駅を造る必要性は弱い」「開業した後の運営が最も気になる。50万人を見込む来場者に対応し、その数を維持していける事業者があるのか」などの意見もあった。
同委員会は、委員が指摘した意見を付帯事項として付け加えることで、道の駅整備計画を了承した。
同温泉の経営は、指定管理者の「株式会社夢こんだ」が29年3月末まで行うことになっている。この契約期間内に道の駅が開業することになるが、市は、運営する組織・団体の決定は改めて協議するとしている。
同委員会(旧・篠山再生計画推進委員会)は、市が行う1億円以上の投資的事業に対し、▽必要性、優先性、有効性が極めて高いこと▽事業を実施しても、最新の収支見通しより大きく悪化する怖れがないこと―の選定基準を審査する酒井隆明市長の諮問機関。