県文化賞受賞者7人が出品 丹波焼の今映す企画展 24日まで陶芸美術館

2024.11.13
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県文化賞を受賞した7人の丹波焼陶芸家の作品が飾られた企画展会場=兵庫県丹波篠山市今田町上立杭で

兵庫県立兵庫陶芸美術館(同県丹波篠山市今田町上立杭)内の丹波焼の里情報コーナーで、秋の企画展「丹波焼―兵庫県文化賞受賞者」が開かれている。同館を拠点に丹波焼の里の魅力を発信しているボランティアグループ「やきものの里プロデュース倶楽部 陶芸文化プロデューサー」の主催。850年の伝統を受け継ぎながら、今を映す新たな作品作りに挑戦し、丹波焼の時代を刻む受賞作家7人の作品17点を紹介している。11月24日まで。

県文化賞は、兵庫県を活動の拠点に、芸術・文化の分野において多大な功績をあげた人に贈られるもので、1948年(昭和23)に創設された。

企画展では、丹波焼の代表的な徳利の一つで、エビの姿を飴釉などで自由奔放に描いた「海老徳利」や、半乾きの器の内側から指で魚の胴の部分を外側に膨らませ、釘彫りで輪郭を取る伝統技法「魚文」で鯛を描いた広口の壺などが目を引く。

他にも、パイプ状の2本をねじり合わせて焼成したオブジェや、カボチャを思わせるフォルムの表面にうっすらと雪が積もったように見える柔らかな凹凸のある白い釉薬を施した水指などが展示されている。

しげしげと作品を鑑賞していた男性は、「県文化賞を受賞した作家なので、産地の重鎮だと思うが、伝統的な作品から、色や形に『今』を感じる作品まで、実に幅広い感性を持っておられることに感心しながら作品を観ていた」と話していた。

月曜休館(祝休日の場合は翌平日)。入場無料。

出品作家は次の皆さん。市野弘之(故人・延年窯)、大上昇(故人・昇陽窯)、市野雅彦(大雅工房)、西端正(末晴窯)、市野元和(省三窯)、市野年成(延年窯)、大上巧(大熊窯)

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