書籍を”セルフ出版” 作家支援にサークル発足 仲間とつながりコラボも

2024.12.03
丹波市地域注目

立ち上げたサークル「SHS企画」から出した本をアピールする瞬那さん=兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市の小説家、瞬那浩人さん(64)が、アマチュア作家の出版などをサポートするサークル「SHS企画」を立ち上げた。出版社を介さず、電子書籍サービス「アマゾンキンドル」のシステムを使い、電子書籍や紙書籍を「セルフ出版」する。費用面など出版までのハードルの高さを身に染みて感じており、多くの仲間とつながることで、コラボ出版といった可能性も広がると考えた。

現在のメンバーは小説家や画家など、フェイスブックで知り合った10人。既に同サークルから5冊を出している。小説家が画家の画集に寄稿するコラボも実現しており、作品を共同制作中の人もいる。

電機メーカーに勤めながら、趣味で小説を書き始めた瞬那さん。出版社主催の「新人賞」に応募したところ、関係者とつながり、文壇デビューを果たした。出版社を介して3作目の小説を出す中で、キンドルで出版できることを知った。

自身4作目で、1958年の丹波市を舞台にした思い入れの強い小説「山裾の小径」を複数の出版社に売り込んだが、採用されなかった。「自力で出版できるかもしれない」と、キンドルでの出版に挑戦。電子と紙の書籍の両方を出すことができ、読者から高い評価を得ている。

アマチュア作家が出版社を通じて本を出す条件となるのは、主催のコンクールで入賞する、などが一般的。出版できても、作者のもとに印税は残りにくい。自費出版料は高く、同人誌で出そうにも入会金を求められることが多い。「売れていて本で食べられている人はごくわずか」という。

このような現状を打破し、アマチュア作家がもうかる仕組みをつくるのが狙い。瞬那さんは「半分趣味」と笑い、「出版に際しては1円もかからない。絶対に損はしない」と強調。「遊び感覚で仲間と協力し、読者から『面白い』と思ってもらえるいろんな本を出していきたい」と話す。

入会希望は瞬那さんのフェイスブックやインスタグラムなどで。

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