議会改革部門で最優秀 丹波市議会が「マニフェスト大賞」で 市議と高校生が意見交換、議場で発表

2024.12.02
丹波市地域地域

丹波市議会を代表し、表彰を受ける市会広報広聴委員長の山名隆衛市議(提供)

地方自治体の議会などの優れた取り組みを表彰するコンテスト「マニフェスト大賞」の議会改革部門で、兵庫県丹波市議会が最優秀賞に初めて選ばれた。市議と市内高校に通う生徒が複数回にわたって意見交換し、考えた政策を本会議場で発表する一連の取り組み「丹波市議会☆ミライプロジェクト」が評価された。

全国の自治体議員らでつくる同実行委員会が主催し、早稲田大学マニフェスト研究所、毎日新聞社が共催するコンテスト。優れた取り組みが広く知られ、互いに競い合うようにまちづくりを進める「善政競争」の輪を広げることを目的としている。今回は5部門に3012件の応募があり、大学教授らが審査した。

ミライプロジェクトは、若者に市政への関心や参加意欲を高めてもらうきっかけにしてもらおうと、2018年にスタート。福知山公立大学と連携し、高校生と市議が複数の班に分かれて意見交換した。

当初は年1度のみ開催していたが、昨年度から継続性を意識し、対面やオンラインツールで議論する場を設けた。今年度は5月にスタートし、氷上特別支援高等部、氷上、氷上西、柏原の計20人以上が参加。「市に求めるもの」などをテーマに思いを述べ合った後、オンラインなどで発表に向けた資料作りに励んだ。

8月、本会議場で高校生が登壇し、班ごとに考えた政策アイデアを発表。「空き家利活用事業補助金の増額」「若者の活動を応援する条例を」「市の廃校に企業誘致を」などと訴え、実際の本会議さながらに議員から質問を受けるシーンもあった。提案があった政策アイデアは、市議会の各委員会で協議し、市に伝えるべきものは林時彦市長に伝達した。各校には、政策アイデアに対する議会の考えを返答した。

講評では、「『議員と親しむ』『1回限り』で終わらせず、一歩進めている。継続性を意識し、政策への反映も図られている」などと評価された。

垣内廣明議長は、「高校生からの提案を聴いただけで終わるのではなく、議会が提案内容の取り扱いを協議し、議長名で高校生に返答を行うことを意識した。今後も、若者の意見を積極的に聴き、議会活動に生かしていく」とコメントした。

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