岡林写真館(兵庫県丹波市柏原町柏原、岡林利幸社長)が手がけた昨年度の柏原高校の卒業アルバムが、「JPAスクールアルバムコンテスト」(日本アルバム写真家協会主催)で3年連続のグランプリに輝いた。コンテスト史上初の栄冠で、通算7度目のグランプリ。岡林伸明店長(25)は、「生徒が主体的に作り上げたからこそ、10年後、20年後に開いた時、すぐにその時代にタイムスリップできるようなアルバムができた」と喜んでいる。
「高校・専門学校・大学部門」での獲得。全国から250校ほどの出品があり、1次審査を通過した30校のアルバムを、同業者が投票で選んだ。
同校のアルバムは、同社が構成、デザイン、撮影などを担い、生徒でつくるアルバム委員会と協力しながら作り上げた。撮影のため年間70―80日は同校を訪問したという。
とりわけ強調したのは「時間軸」。修学旅行や体育大会などの行事のページに、日付や曜日を大きな文字で掲載。見返した際、写真からあふれる視覚的な思い出だけでなく、当時の空気を感じられるのではと考え、新たな試みに挑戦した。
全体的には、これまでから取り入れているストーリー性を持たせた展開に仕上げた。見開きは登校風景、見返しは下校風景を掲載。クラスや行事のページにはアルバム委員がメッセージを寄せたほか、「卒アル自由ページ」を設定。生徒によるアンケートや恩師の似顔絵などを掲載した。
講評では「学校アルバム制作に携わる私たちの表現の指針となり、参考となる一冊」「学校の要望に加え、つくり手の思いも十分に伝わり、両者の長い信頼関係が感じられる」と高い評価を得た。
岡林社長(59)は「学校や生徒に前向きに協力していただいたからこそ、頂けたグランプリ。撮影技術だけでなく、企画力やテーマ性を持たせた展開などが、同業者に評価していただけてありがたい」と話している。