清兵衛さんに感謝 菩提寺で初の「まつり」 ステージや日本酒グッズ進呈も

2025.04.25
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「義民市原清兵衛菩提之碑」の前でまつりのポスターを手にし、来場を呼びかける林住職=兵庫県丹波篠山市今田町今田新田で

清兵衛(せいべえ)さん、ありがとう―。丹波杜氏の功労者、市原清兵衛の菩提寺、西方寺(兵庫県丹波篠山市今田町今田新田82)で26日午前10時―午後4時半、「清兵衛まつり」が初めて開かれる。同寺が、清兵衛親子の供養を目的に企画。本堂で林昌伸住職ら僧侶による法要が営まれるほか、境内の「義民市原清兵衛菩提之碑」の前で丹波杜氏組合が酒造り唄を奉納する式典が催される。法要・式典終了後は、清兵衛の功績を振り返る講演会や、歌や踊りのステージがあるほか、日本酒やキッチンカーによる飲食物の販売を行う。

清兵衛は今田町市原生まれ。生没年は不詳。

江戸時代、篠山藩の百姓の間では、摂津灘、伊丹、池田などへ、農閑期の9月―翌年4月に酒造りの出稼ぎに行くことが盛んだった。しかし、春の稲作の植え付け準備が滞ることや米年貢の減少を恐れた藩は、厳しい酒造出稼ぎの禁止令を発した。これにより農民たちの生活は困窮を極めた。意を決した清兵衛と息子の佐七は、禁令を解いてもらうため、1800年12月、藩主・青山忠裕(ただやす)に直訴。そのかいあって1802年8月、出稼ぎ禁止令は解禁されたが、藩主への直訴は大罪のため、父子は、およそ10年間、獄中生活を送った。

まつりでは、午後零時半ごろから、市史編さん委員会委員長の今井進さんが「偉業を成し遂げた市原村の清兵衛」と題して講演。特設ステージでは、櫻酒造(同市井ノ上)の工場長らによる「酒なベイビーズ」や、「the チャンポラパン band」が音楽演奏を、「篠山鼓夢衆うりずん」がエイサーを上演する。

酒蔵自慢の日本酒の有料試飲があるほか、日本酒を一定額以上購入すると、酒米の稲穂のイラストと「清」の文字をあしらったロゴマーク入りの同まつりオリジナル丹波焼酒器が数量限定で進呈される。

地元グルメ・キッチンカーのコーナーでは、「mametoimo」(サツマイモスイーツ)、「TAKIカレー」、「ひねっちゃん」(鶏料理)ら4店舗が出店する。

同寺に無料駐車場はあるが、飲酒を伴うイベントのため、JR相野駅―同寺をピストン運行する無料ジャンボタクシーを走らせる。

同寺ではこれまで、市原清兵衛の菩提寺として、同寺のみで供養をしてきたが、林住職らが、改めて清兵衛親子の勇気ある行動を広く世間に知ってもらう機会として、また、その行動に感謝するとともに未来永劫、丹波杜氏の文化を継承していこうと発起。丹波杜氏組合、丹波・篠山酒造組合、丹波立杭陶磁器協同組合の賛同も得られたことから同まつりを開催することにした。

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