コーフボールで日本代表 バスケと”二刀流”大学生 U21でアジア・オセアニア選手権へ

2025.07.29
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コーフボールU21の日本代表に選ばれた藤本さん。後ろにあるのがコーフボールのゴール(提供)

兵庫県丹波市山南町出身で、奈良教育大学コーフボール部の藤本惣太さん(19)=2回生=が、同競技のU21(21歳以下)の日本代表に初めて選ばれた。30日から中国四川省楽山市で行われる「U21アジア・オセアニアコーフボール選手権」(国際コーフボール連盟主催)に出場する。バスケットボールをルーツとする珍しい男女混合競技で、藤本さんは「フェアプレーの精神が強く、誰でも楽しくプレーできるのが魅力。選手権でまずは1勝を目指したい」と話している。

同部は今年度にサークルから「部」に昇格したばかりだが、日本選手権でホストを務めるなど、国内コーフボール界で存在感を発揮。U21男子代表7人のうち、4人が同大から選ばれている。

藤本さんは現在、バスケットボール部とコーフボール部の“二刀流”。コーフボールを始めたのは昨夏で、「競技人口が少ないから日本代表に選ばれるチャンスもある」と誘われ、「頑張ってみよう」と、入っていたバスケ部との両立を決めた。バスケとコーフボールを続けて練習する日は「めちゃくちゃきつい」が、「バスケ部でも勝ちたい」と奮闘する。

小学2年生から山南ミニバスケットボールクラブでバスケを始め、山南中バスケ部時代は県大会で2位と活躍。丹波市内で発足したクラブチーム「V―WAVE」の1期生で、クラブチームの県大会でも好成績を収めた。

柏原高校2年生の時、試合中に右足ひざを痛め、前十字靭帯断裂などの大けがをした。スポーツを続けられるか危ぶまれる状況だったが、手術後、約半年で復帰、最後の総体にも出場した。

このリハビリ期間中、もう一つの新しい“道”が開けた。美術教師に誘われ、美術部に入部。柏原駅のシャッター絵を描くなどの活動にも参加した。高校教員になるのが夢で、大学では体育教育を専攻するつもりだったが、「絵を描くのが楽しい」と志望を美術に転向。現在、奈良教育大で美術教育を専攻している。「けがのおかげで今の道につながり、コーフボールにも出合った。けがをして良かった」と穏やかにほほ笑む。

今年2月に日本代表に選ばれ、「自分なんかでいいのかなとびっくりした」と言う。「教えてくれている先輩のおかげだし、家族や友だちの応援も励みになっている。良い成績を残せるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。

アジア・オセアニア選手権は動画サイト、ユーチューブで配信予定。

 

【コーフボール】 男女各4人、計8人でチームを組む。コートの中央にあるリングにボールを入れると得点になる。360度どこからでもシュートが打てる。バスケットボールに似ているが、ドリブルは禁止。異性のマークや接触プレーは禁止。1902年にオランダで考案され、世界約70カ国で行われている。

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