兵庫県丹波篠山市二階町でアウトドアショップ「SATORY(サトリー)」を運営している細見勇人さん(45)が、猪肉の脂とぼたん鍋の赤みそを加えた「ぼたんスープカレー」を開発し、店舗前で販売している。北海道発祥のスープカレーのおいしさに衝撃を受け、オリジナルの一品を追求する中でたどり着いたのが、まさかの〝ぼたん要素〟。「甘みとこく」がプラスされ、丹波篠山らしい一皿が出来上がった。試行錯誤を重ねた細見さんは、「納得のいく出来に仕上がった。ぜひ一度食べてみてほしい」と胸を張る。
スープカレーは北海道・札幌で誕生し、全国に広まったご当地グルメ。さらさらしたスープ状で、スパイスの香りや風味、ごろっと大きな具材が入ることが特徴だ。
サトリーのスープカレーは、鶏ガラとかつお節を使った〝だし系〟。ショップで商品を取り扱っている「ヤマノ企画」に独自の調合で作ってもらったスパイスに猪肉の脂、赤みそ、ショウガやニンニクを加え、大きな素揚げの野菜と鶏肉を具材にしている。
スパイスなどの風味を飛ばさないように、提供前に作り上げる手の込みよう。一口食べればだしとスパイスの香りが口中に広がり、後を引く甘みとこくが楽しめる。
〝カレーの師〟と仰ぐ友人を通じてスープカレーを知り、そのおいしさのとりこになった細見さん。大阪や東京の名店を巡る中、師の提案もあって、「うちでも作ってみよう」と考えた。
名店の味の再現を目指し、いざ作ってみると、「おいしいけれど、何か物足りない」カレーになった。試行錯誤を重ね、頭をひねりながら思いついたのが、ラーメンに浮かぶ脂。そして、丹波篠山で脂といえば猪肉。早速、入れてみると思った通り、甘みが出た。
もう少しこくがほしいと考え、やはり猪つながりで猪肉専門店「おゝみや」の赤みそを加えてみると、見事、理想の甘みとこくが加わった。米も野菜も、もちろん地場産。丹波篠山バージョンと言える一品が完成した。
細見さんは、「スパイスもみそも野菜も、どれもプロが作っているものばかりで、おいしいに決まっている。自分は〝うまいもん〟を足し算しただけ」と笑う。
インテリア専門店を営む傍ら、サトリーを運営。一昨年には、オリジナルブランド「INO/UTO(イノウト)」から、置き型の薪割りギア(道具)「vedz(ベッズ)」を発売し、大好評となった。
現在、自宅で楽しんでもらえるようにスープカレーキットも開発中と言い、「目指しているのは人生の豊かさに寄与することで、自己満足こそが豊かさ。スープカレーもそうで、スパイスと猪肉、野菜を買って帰ってもらい、自宅で再現できた時の楽しさが満足につながる」と言い、「地場の物を買ってもらうことで地域貢献にもつながる」とほほ笑んでいる。
ぼたんスープカレーは1200円。猪肉をトッピングした「極(きわみ)」は2000円。辛さやご飯の量も選べる。出店は土・日曜、祝日のみ。























