兵庫県丹波市のアマチュア劇団「水彩パルチザン」(足立知也団長)が結成20周年を迎え、節目を記念した公演「さよなら、生徒会室」を9月7日午後2時から春日文化ホール(同市春日町黒井)で上演する。市内在住・出身アーティストの支援公演「ピックアップアーティストシリーズ」(市、ネクストゼロ主催)に選ばれ、同劇団にとって初めての有料公演。同劇団が大切にしてきた「終わることは失うことではなく、次に進むこと」との思いを、舞台上で面白おかしく、時に切なく表現する。
10周年記念公演の際にも上演した演目だが、出演者が23人と大幅に増えることもあり、足立団長(44)が、自身が手がけた脚本を加筆修正した。
中学校の生徒会が舞台。最後の文化祭前日、楽しい毎日が続くことを望む役員4人「生徒会四天王」の前に、時間をつかさどる悪魔「ジーモン」一家が現れて―というストーリー。「今この瞬間をどう生きるか」「誰と、どんなふうに過ごすか」を描く青春タイムリープコメディー。
2005年、足立団長が友人と立ち上げた。毎年、1、2回の自主公演に加え、子育て学習センターや高齢者施設、小学校などでのボランティア公演、小中学校での講演会や演劇教室を行うなど、精力的に活動している。今回が26回目の公演になる。
毎年の自主公演は住民センターが主で、立ち上げ公演で経験した同市の丹波の森公苑以来のホール公演になる。「ピックアップ―」に出演オファーがあり、足立団長は「ずっと市立のホールで上演したかった」と胸を躍らせる。
10周年公演時にも出演した田邊日向子さん(25)は、前回は学生役だった。「今回は大人の役。時間の流れを感じて感慨深い」と話す。同じく前回に続いて出演する奥野絵里奈さん(38)は、「新旧メンバーと演劇ができるのは幸せ」と笑顔。奥野さんの長女で、中学1年生の桧音里さんは、母との共演を「ちょっと恥ずかしいけど楽しい」とほほ笑む。
主役の「わかば」を演じる中学1年生の岩瀬雫さんは、「面白さを含んだストーリーで、私自身、時間の大切さを学べる。20周年の時に出演させてもらってうれしい」と話す。
足立団長は「ここまで続くとは思っていなかった。周囲の助け、励ましがあってこそで、演劇が好きという思いだけでは続けられなかった」と周りのサポートに感謝する。「子役で出ていた子が劇団の中心メンバーになったり、他の団体で演劇に携わっていたりすることがうれしい。今後も初心者が始めやすい劇団でありたいし、仕事や学校を第一に、楽しくリラックスして続けられたら」と話している。
前売り500円(当日600円)。市内各住民センターなどで販売している。ウェブチケットはローソンチケットなどで。


























