開局10年「未来」へ支援募る 地域FM「805たんば」 機材更新費かさみ窮地 31日までクラファン

2025.07.28
丹波市地域地域注目

クラウドファンディングへの支援を呼びかける足立理事長=兵庫県丹波市氷上町市辺で

兵庫県丹波市の地域FMラジオ「805たんば」(80・5メガヘルツ)を運営するNPO法人・たんばコミュニティネットワーク(足立宣孝理事長)が、開局10周年を迎える節目に、放送に必要な各種機材や免許の更新などに当てる費用をインターネット上で募るクラウドファンディングに取り組んでいる。次の10年に向けて必要な費用がかさんでおり、ラジオ局が存続の窮地に陥っているという。地域ラジオ局を未来につなぐため、支援を呼びかける足立理事長(73)は、「金額の多寡にかかわらず、805たんばに関心を寄せていただけるとうれしい」と話している。目標は100万円。支援の受け付けは31日まで。

今後5年以内に必要な費用を800万円と見込む。特に高額な自動番組制御装置(400万円)は開局時から使用しており、これがなければ常にスタッフが放送番組を手動で切り替えなければならない。その他の機材も老朽化が進んでおり、放送法で定められた登録検査など、必要な費用が大きくかさんでいる。

支援は5000円から受け付ける。支援者に用意したリターン(特典)は金額によって異なるが、▽朝夕の番組で支援者名とメッセージ紹介(1万円)▽丹波産コシヒカリの新米5キロとステッカー(1万2000円)▽番組出演権(個人向け、1万5000円)▽オリジナル番組制作(法人向け、6万円)―など。

同法人は13年12月に設立。開局に向けて動く中、翌14年8月に市豪雨災害が発生し、復旧復興の一翼を担うべく、甚大な被害があった同市市島町の前山コミュニティセンター内に臨時災害放送局を立ち上げた。同年9月17日から約2カ月半、被災者に必要な情報を届けた災害FMがルーツ。翌15年、同市氷上町市辺にスタジオを置いて番組放送を本格スタートした。

「手探りながら、必死になって開局を進めたことが印象深い。山あり谷ありだったが、何とか放送を続けられている」と語る足立理事長。行政情報やイベント案内、店舗紹介などを各パーソナリティーが伝えているほか、市民が制作した番組を放送している。

開局当初、自主制作番組が少なく、番組表は「穴だらけ」だったという。現在、午前6時―午後10時の放送枠のうち、8割が自主制作番組を占めており、足立理事長は「市民に805たんばを愛していただいている証拠だと思う」と喜ぶ。夜間―早朝は、他社制作のコミュニティー放送局向けの番組を放送している。

足立理事長は「市民の力で地域の魅力を発信してきた。地域のラジオという思いを持ち続けている。何とかラジオ局を存続させ、引き続きリスナーに元気をお届けできるようご支援をお願いしたい」と話している。

支援は専用サイト「キャンプファイヤー」から。

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