「人の情け」表現 写真家の浅田さんがポスター デカンショ節大賞題材に

2025.08.14
地域注目観光

浅田さんが撮影した写真を用いたデカンショ大賞をイメージしたポスター

兵庫県丹波篠山市は今年度の「日本デカンショ節大賞」の大賞受賞作の歌詞をイメージしたポスターを作製した。昨年度に続き、写真家の浅田政志さん(46)が撮影。各地に掲示して日本遺産に認定されている〝デカンショのまち〟のPRにつなげたい考え。デカンショ祭は今年も15、16日に開かれる。

今年度の大賞に輝いた同市今田町出身の田中顕則さん(65)=神戸市=の「丹波篠山霧深けれど 人の情けはなお深い」をイメージ。篠山鳳鳴高校写真部がモデルとして協力し、動かなくなったトラクターを協力して引っ張る姿で、「人の情け」を連想させる情景を撮影した。

撮影は7月末。歌詞に登場する霧の季節ではないが、手前にうっすらと霧のような煙を配している点がユニーク。広がる田園風景と青空、生徒たちの笑顔が、丹波篠山の〝良さ〟を伝えている。

浅田さんは、2009年、一家でさまざまな衣装を着て撮影した写真集「浅田家」で、写真界の芥川賞とも呼ばれる「第34回木村伊兵衛写真賞」を受賞。東日本大震災時には被災地を訪れ、がれきの中から見つかった写真を洗浄するボランティアに励んだ。

2020年には、写真集などを原案にした映画「浅田家!」が公開され、俳優の二宮和也さんが浅田さん役を務めて話題になった。NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のポスターも手掛け、誰もが楽しい気持ちになる一枚、かけがえのない一枚を撮り続けている。

浅田さんは、「今回もデカンショ節から写真のイメージを作っていく過程が最高に楽しかった。注目は〝霧〟です」とコメントしている。

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