阪神甲子園球場で開かれている「第107回全国高校野球選手権大会」の大会4日目を迎えた8日、地元の東洋大姫路(兵庫)が登場し、済美(愛媛)との熱戦を5―3で制した。東洋大姫路は兵庫県丹波市立市島中学校出身の右腕、木下鷹大(ようた)投手(3年)が先発し、9回を136球で完投。最終回でも140キロを超えるストレートをねじ込み、キレのある投球で粘りのピッチングを展開した。2回戦は14日、花巻東(岩手)と対戦する。
木下投手は打者36人に対し、奪三振8、被安打7、失点3、四死球1の投球内容だった。
一回表、真新しいマウンドに上がった木下投手は、ライト線に2塁打を浴び、いきなり得点圏にランナーを背負った。送りバントで一死3塁となったが、後続を打ち取り無失点で切り抜けた。
味方が先制した直後の二回表、4本の安打を浴びて2点を奪われ、逆転を許した。三、四、五回表は圧巻の投球を披露。いずれも三者凡退に打ち取り、3つの三振を奪った。
六回表、打ち取った外野フライを野手が重なってしまい落球。不運な形で無死2塁のピンチを背負うと、犠飛で1点を献上し、試合を振り出しに戻された。
七、八、九回表は安定のピッチング。七回裏に2点の援護をもらうと、九回最後の打者を三振に仕留めて試合を締めくくった。
木下投手は試合を振り返り、「初戦で力みもあり、状態は良くなかった。良いテンポで淡々と投げられ、失点を少なくできたことが勝因」と分析し、「真っすぐが打たれ始めたので、途中から変化球を主体にした投球に切り替えた」と汗をぬぐった。
春の「センバツ」でも登板したが、背番号「1」で甲子園のマウンドに上がるのは初めて。「春に比べると、間を使ったり、ピンチほど冷静になり、慎重な投球ができるようになった」と自身の成長点を語る。県大会から完投が続くが、「そんなに体力はない」と笑い、「だからこそ力を抜きつつ投げている」と話した。
応援してくれる地元、丹波市民に向け、「地元の方は一番の身内。小さいころから育ててくれている人たちの応援は力になる。これからも応援をお願いします」とほほ笑んだ。
次戦は智辯和歌山(和歌山)を破った花巻東。「今日のような投球では駄目。100%の力を出さないと勝てない。粘り強く、修正を図りながら投げたい」と力を込めた。




























