【高校野球】粘投も4強ならず 東洋大姫路の木下投手 惜敗に涙止まらず「勝ちたかった」

2025.08.19
丹波市地域地域注目

初戦から準々決勝の沖縄尚学戦まで、エースの責任を果たした木下鷹大投手。満員の甲子園球場をピッチングで沸かせた=2025年8月19日午後5時49分、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で

阪神甲子園球場で開かれている夏の全国高校野球選手権大会13日目の19日、地元の東洋大姫路(兵庫)が準々決勝で沖縄尚学(沖縄)に1―2で敗れ、惜しくもベスト4進出を逃した。東洋大姫路のエースで、兵庫県丹波市立市島中学校出身の右腕、木下鷹大投手(3年)は二回無死満塁でリリーフ。ヒットと犠牲フライで2点を失ったものの、九回まで粘り強く投げ抜き、エースの役割を果たした。

連投の疲労が残る中で最終回は気迫の投球。先頭打者にこの日最速の146キロを2球続ける意地を見せた。この日投じた108球目、144キロの直球で最後の打者を見逃し三振に切って取った。その裏、味方は2死満塁と1打逆転サヨナラのチャンスをつかんだが、沖縄尚学のエース左腕、末吉良丞投手(2年)を打ち崩せなかった。

9回表、沖縄尚学最後の打者を見逃し三振に仕留め、逆転を信じベンチに引き上げる木下投手

木下投手は敗戦に涙が止まらなかった。ベンチに引き上げる際、好リードで支えてくれた桒原大礼捕手(3年)と抱き合った。

春のセンバツは背番号「11」。エースナンバーを背負っていた同学年の右腕、阪下漣投手が故障。夏の大会はエースナンバーを背負ってチームを県優勝、甲子園ベスト8に導いた。甲子園の4試合36イニング中、木下投手は31回3分の1、482球を投げた。

地元丹波の応援に「ありがとうございます」と感謝の言葉を口にし、今後は「大学に進学し、プロ野球選手を目指す」と、さらなる高みに挑戦する気持ちを明かした。

2年半の思いがあふれ、桒原捕手と抱き合い悔しさを噛みしめる木下投手

岡田龍生監督は、「最初から球質は良かった。中学の時にできなかった経験ができ、ここで成長した。ピンチになっても動じず、思い切ってバッターに向かう、粘り強いピッチングができた」とねぎらった。

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