心〝打つ〟舞台を 30日、風舞流曲技太鼓が公演 華麗な動きとバチさばき特徴

2025.08.21
地域注目

本番に向けて熱のこもった練習に励む風舞流曲技太鼓の門下生らと、師範の谷口さん(後列右)=兵庫県神戸市で

兵庫県丹波市山南町谷川の谷口真一さん(41)が師範を務める「風舞流曲技太鼓」が30日午後1時から、やまなみホール(同町谷川)で4回目となる自主公演「響きの祭典―丹波の地 晴れのち嵐」を開く。〝芸事〟としての太鼓を追求し、華麗な動きとダイナミックなバチさばきに加え、一つの演目を2―4分に納めるなど、観衆を飽きさせないエンターテインメント性の高い舞台を披露。メンバーらは、「初めて見る人の和太鼓の概念を覆したい。月日がたっても、『あの日の舞台は良かった』と思ってもらえるような人の心を“打つ”演奏を披露したい」と熱のこもった練習に励んでいる。

地元丹波市のほか、神戸市や西宮市などの門下生約40人が13演目を披露する。細いバチを使用し、舞を取り入れた流れるような所作と、静と動のメリハリもつけた、美しさと勇ましさが共存する舞台で魅せる。

風舞流は古く越前に伝わる「日本曲太鼓 水舞流」の水野幸蔵さんから免許皆伝を受けた谷口さんの父、風谷鼓道さん(本名・薫)が開祖。水舞流の「舞い」「打ち込み」「優雅さ」「華麗さ」を受け継ぎ、さらに磨きをかけた。かけ声などの合図もなく曲に入ったり、複雑なバチさばきと舞の要素があったりするのが特徴。曲に譜面はなく、師から弟子へと体と心で伝えられている。

兵庫県三田市出身で、父の影響で2歳から和太鼓を始めた谷口さんは、結婚を機に丹波市に移り住んだ。2代目・風谷鼓道を襲名し、2年前、闘病の末に他界した父から流派を継承。「アーティストモーション」の屋号で、丹波市、神戸市、西宮市の計5カ所で和太鼓教室を開くなど、初代の精神はそのままに、風舞流の裾野を広げる取り組みを精力的に展開している。

病床の父から、「太鼓のことで伝えたいことがある」と言われていたが聞けなかった。「もう永遠に答えは出ないが、自分なりに追求していきたい」と言い、「『ただ派手なパフォーマンスをしてもお客さんに忘れられたら意味がない。忘れられないような舞台をする。それが芸の神髄』というのが先代の教え。ぜひどのような舞台か見に来てほしい」と呼びかけている。

全席自由で、高校生以上1000円。小学生から中学生は500円。幼児以下は無料。入場は事前申し込みの人を優先。

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