武術太極拳棍術で日本一 美しい形に集中 高2の丸山さん

2025.08.27
丹波篠山市地域

カンフー映画さながらのアクロバティックな棍術を披露する丸山さん=兵庫県丹波篠山市網掛で

兵庫県立篠山鳳鳴高校2年の丸山響生(ひびき)さん(16)=同県丹波篠山市=がこのほど、東京体育館で開かれた「第42回全日本武術太極拳選手権大会」(公益社団法人・日本武術太極拳連盟主催)で、「国際第三套路(とうろ)男子棍術(こんじゅつ)」の部で日本一に輝いた。また、刀術で準優勝、長拳で5位に入った。「もう一度、基礎から鍛錬し直し、大会に臨んだ」という丸山さんは、「失敗を恐れず、いかに美しい形を披露できるかに集中した。そのことで表現力も増して好結果につながった」と喜びをかみしめている。

全日本武術太極拳選手権大会棍術で日本一に輝いた丸山さん

武術太極拳の日本一を決める同選手権大会には、毎年男女1500人前後が参加。今回も7―90歳の幅広い年齢層の選手が集まり、個人約1400人、団体57チームがエントリーした。丸山さんは2年ぶり2度目の出場。前回(中学3年)は棍術9位(38人中)、刀術13位(40人中)、長拳6位(45人中)だった。

棍術には12歳以上の27人が出場。背丈以上ある長い棍を縦横無尽に振ったり回したりするほか、体を素早く回転させながら跳躍し、蹴りを繰り出す旋風脚など、カンフー映画さながらのアクションを見せながら、スピードや技の切れ、正確さなどを競った。

丸山さんは、4月にあったJOCジュニアオリンピックカップ武術太極拳大会で、減点を気にして守りに入ったことを反省し、今大会ではミスを恐れず、持ち味のスピード感のある形を繰り出し、ダイナミックな動作を堂々と披露した。「棍、刀、長拳の3種の中でも棍が最も上達したと実感できている種目。自信を持って舞台に立てた」と振り返る。

2位に甘んじた刀術(42人出場)は、「ちょっと力み過ぎた。足払いをかける動作で、いつも回転不足で減点されるが、今回も同じところを指摘された。この悔しい気持ちを日々の鍛錬のやる気に換えて取り組みたい」と前を向く。

高校の部活動ではバレーボール部に所属。先日行われた県総体で12年ぶりの近畿大会出場を決め、その大会を1週間後に控えた中での武術太極拳選手権大会だった。タイトなスケジュールに一時はエントリーの辞退を考えたが、「年に1度の機会。11月の近畿ジュニア武術太極拳大会にエントリーするので、現時点での実力を図っておきたかった」と出場した。

「まずは、近畿ジュニアで優勝し、来年4月のJOCでも優勝して、その先にある国際大会選考会への出場権を獲得したい」と目標を掲げている。

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