結成20年、ファンタジーの世界へ アマチュア劇団「水彩パルチザン」 来場350人を前に記念公演

2025.09.20
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オリジナルの青春タイムリープコメディーをはつらつと演じた出演者ら=兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市で活動するアマチュア劇団「水彩パルチザン」の結成20周年記念公演「さよなら、生徒会室」が、同市の春日文化ホールで開かれた。中学校の生徒会を舞台にしたオリジナルの青春タイムリープコメディーで、劇団史上最も多い、小学生―40歳代の23人が出演。客席を埋めた約350人の来場者をファンタジー世界に引き込んだ。

文化祭前日、最後の一大イベントが終わってしまうのを寂しく感じた生徒会役員らが「今日がずっと続けばいいのに」と願ったことで、時間をつかさどる悪魔「ジーモン」一家が現れて―というストーリー。「終わることは失うことではなく、次に進むこと」というテーマをはつらつと表現した。

市内在住・出身アーティストの支援公演「ピックアップアーティストシリーズ」(市、ネクストゼロ主催)の一つ。同劇団初の有料公演で、立ち上げ時以来のホール上演となった。

来場した約350人をファンタジーの世界に引き込む出演者たち

生徒会長を演じた岩瀬雫さん(中1)は、「4カ月の練習はあっという間で、団結力が高まっていき、最後は一体感をめっちゃ感じられた」と笑顔。同じく生徒会役員を演じた大前咲希さん(中2)は、「たくさんの人がお金を払ってまで来てくれてびっくりしたし、うれしかった」、奥野桧音里さん(中1)は、「やりきれた。達成感があった」。山本陽葵さん(中1)は、「本番は一番良い舞台になった」と感動の涙をぬぐった。

出演者らのコミカルな動きやせりふに、客席の子どもたちから笑い声も。母と見に来た芦田彩七さん(小3)は、「時間のループで何度も転んだところや、ジーモンの大きな笑い声が面白かった」と話し、母の身依子さん(50)は、「素人だからと聞いてきたけど、そうは思えないほど全てが楽しいお芝居でした」とほほ笑んだ。

また、市内の子育てママバンド「ヒアナリ」の生演奏に合わせてエンディングロールが流れ、余韻ムードを盛り上げた。

脚本と演出を担当した足立知也団長(45)は、「温かい言葉が次への言動力になっている。気軽に演劇を始められる団体としてこれからも続けていきたい」と話していた。

ホームページ、SNS(インスタグラム、X)で活動内容などを発信している。

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