作家20周年でリメイク本 西安さん「ミシガン無宿」 企業戦士の姿痛快に描く

2025.12.12
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「ミシガン無宿 保存版」を出版した西安さん=兵庫県丹波市で

作家の西安勇夫さん(72)=兵庫県丹波市市島町=が、小説「ミシガン無宿 保存版」(東京図書出版)を発行した。作家活動20周年を記念し、2005年のデビュー作「ミシガン無宿―アメリカ巨大企業と渡り合った男」のリメイク版を発行。西安さんは「元の本は絶版になっており、まだ読んでいない人や若い人にも入手してもらえたらうれしい」と話している。

01―04年、日本の自動車部品メーカーからアメリカ・ミシガンの子会社に副社長として出向した白鳥琢磨を主人公にした小説。実際に同期間、丹波市内の自動車部品メーカーからミシガンへ赴任した西安さんの体験をもとに描かれた「ノンフィクションに近いフィクション」で、西安さんのこだわりであるリアリティーを追求。子会社をてこ入れするため、「世界で一番時給が安い」を勲章に、プライドと情熱を持って巨大企業と対等に戦う白鳥の姿が痛快に描かれ、デビュー作にして代表作となった。

西安さんは心筋梗塞で手術を受けて帰国したことをきっかけに、小説家を志して51歳で退職。小説とコラム集をほぼ2年ごとに発表し、今作が13冊目となる。

西安さんは「20年の節目に、今までお世話になった読者の方に何か恩返しがしたかった。作品を創り出すのは大変な作業だが、20年間、自分なりに頑張った」と話している。

税別1400円。丹波地域を含む全国の書店、ネット書店で販売中。丹波市では喜久屋書店柏原店(柏原町母坪)、丹波篠山市では小山書店(魚屋町)で購入できる。

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