農家「高値にびっくり」 山の芋1個1万円強 買受人「景気づけに奮発」

2025.12.03
丹波篠山市地域注目買う食べる

「7万2000円」と札を上げる東門社長(中央)。思わず笑みをもらすセリ参加者たち=兵庫県丹波篠山市北新町で

強い粘りで知られる兵庫県丹波篠山市の特産、丹波山の芋の公開臨時セリ市が大手前南駐車場で開かれた「第24回ふるさと農業まつり」であり、品評会で最高賞の県知事賞を受けた7個が7万2000円で落札された。1個(500グラム)当たり1万円強の超高値。激しい競り合いでうなぎ上りに価格が上昇、会場は多いに盛り上がった。

イベント会場で買い物客が見守る中、5000円からスタート。10人の買受人が、自身の番号札を掲げながら値段を言い合った。1000円ずつ値段がアップ。3、4人で激しく競り合い、またたく間に2万円、3万円、4万円、5万円、6万円と景気良く上昇。玉川食品(同市二階町)の東門正宣社長(49)の「7万2000円」に続く声がなく、落札が決まった。

出品されたのはJA丹波ささやまの特選規格。店頭参考価格は1キロ3100円。相場の7倍近いご祝儀相場だった。東門社長は「作り手が減っている丹波山の芋を景気付けたかった」と言い、「だいぶん奮発した。店に飾って販売する」と笑顔で語った。

7万2000円で競り落とされた県知事賞の山の芋と生産者の井貝さん

同芋生産者の井貝敏夫さん(72)=同市倉本=は「こんな値段が付くなんてびっくり。多くの栽培農家の励みになる。丹波山の芋の価値の対外的PRにもなる」と喜んでいた。

この日始まった冬の食キャンペーン「丹波篠山山の芋フェア」(―2月1日)の開幕を祝う催しとして初めて公開セリ市を企画した。同市農産物品評会で上位入賞した6点がセリにかけられ、落札総額は14万5000円だった。

会場では、同芋を1個500円で特価販売。セリで改めて注目が集まり、多くの観光客が買っていた。

このほか、同品評会の優秀作品の展示、市農業委員会の黒豆きな粉の配布、特産物が当たる抽選会に飲食物販バザーなど盛りだくさんの内容で盛況だった。

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