兵庫県丹波篠山市立城東保育園(43人)で19日、同園の職員(15人)を対象に不審者対応訓練が行われた。篠山警察署地域課の4人を講師に迎え、県警ホットラインを使用した通報の仕方や刺股の使い方などを学んだ。職員にはあえて役割分担の指示をせずに訓練を開始。職員一人ひとりがそれぞれに考えて行動し、他の職員と連携しながら、園児たちをいかに早く避難させられるか、不審者と対峙したときにどれだけ動け、また動けなかったのかを確認し、いざというときに備えた。
園児たちが園庭でにぎやかに遊んでいるところに保護者を名乗る署員扮する男が「子どもに会わせろ」と来園。職員が本人確認をしようとするも「会わせろ」の一点張り。危険を察した別の職員たちが園児たちを素早く教室に避難させ、男が侵入できないよう、全ての部屋に鍵をかけた。男がナイフをちらつかせると、複数の職員が刺股やパイプ椅子を手に男の行く手を阻んだ。その間、谷口裕美園長が、ワンボタンで県警通信指令室につながる緊急通報装置「県警ホットライン」で通報。駆け付けた篠山署員が男を取り押さえた。
実践的な訓練だったことから、署員から訓練の終了が告げられると、職員たちは恐怖と緊張から解放され、安どの表情を浮かべていた。
訓練後の講評で署員は、「刺股を相手につかまれないよう縦に持ち、相手の目を突くように威嚇する」「捕まえようと思わずに警察官が到着するまでの時間稼ぎをして。できるだけ複数で」などと注意を呼びかけた。
昨年に続いて2度目の訓練。谷口園長は、「より実践的で緊張感のある訓練ができた。職員たちの防犯意識もずいぶん高まってきた。大切な命を預かる施設なので、これからも訓練を通して万が一に備えたい」と話していた。



























