植野記念美術館(兵庫県丹波市氷上町西中)で、丹波市出身の彫刻家、初代磯尾柏里(本名・健治、1890―1969)を紹介する企画展「生誕135周年 初代磯尾柏里展 彫刻家の夢」が開かれている。初期から最晩年まで、初代柏里が手がけた約80点をはじめ、彫刻一家、磯尾家の人々の作品など計111点を展示。彫刻に生涯をささげた健治の生きざまと、木彫りの魅力を伝えている。2月23日まで。
初代柏里展が同美術館で開かれるのは初めて。戦後80年、生誕135年を記念した。個人蔵の作品が多いため、まとまって見られる機会は貴重という。
展示作品は盆、茶たく、欄間など生活に近いものから、干支、七福神など縁起物、能楽を題材にしたもの、仏教彫刻まで幅広い。能楽の一場面を表した「道成寺」は高さ197センチで、迫力たっぷり。仏教彫刻は精緻な技術が目を引く。
人物の肖像彫刻も手がけ、元柏原町長「土田文次」や「岡林佐市」ら、健治と同時代に活躍した地元の人物のほか、氷上町の円通寺で修業した良寛和尚、柏原出身の俳人、田ステ女の像などが展示されている。
また、平和主義者だった健治は、戦争のない世界を願うメッセージを込めた「社会派彫刻」を多く創作。女神が子どもを連れて空を飛んでいる「国境のない自由」、戦争を起こさせる悪魔を女神が抑えている「大自然の力で」、いろいろな国の子どもたちが仲良く手をつないでいる「地球上の一家のように仲良しで」など、平和への願いを表現した作品をまとめた。
幼い頃から彫刻家を夢見て、生活が苦しくとも諦めず、亡くなる直前までのみを握った健治。闘病中に一時退院を頼み込んで制作したという絶刀作品「羽衣」も展示されている。
今回の作品展は、健治の伝記「磯尾柏里伝」(1988年、荻野祐一編)を読んで感銘を受け、「初代磯尾柏里再発信プロジェクト」を立ち上げて活動する西田芳和さん(大阪府)の提案で実現した。
孫で3代目柏里の隆司さん(66)=同市柏原町=は「このような展覧会が開催できるとは夢にも思っていなかったので、ありがたい。改めてまとまった作品を見ると、技術も情熱も、一生かかってもまねできないものがあると感じた。観察力鋭い“スーパーリアリズム”から、のびのびとした自由な発想の作品まで、幅広い仕事を見てもらえたら」と話している。
月曜休館。午前10時―午後5時。一般400円、大学・高校生300円、小中学生200円。




























