補助犬同伴拒否は法律違反 「ただただ受け入れて」 おもてなし研修で車いすユーザーが講演

2026.03.13
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介助犬の「テン」とともに思いを語る藤原さん=兵庫県丹波篠山市黒岡で

全ての人が安心して旅行を楽しむ「ユニバーサルツーリズム(UT)」を推進する「丹波篠山市ユニバーサルツーリズム推進協議会」の「おもてなし研修」がこのほど、市民センターで開かれた。車いすユーザーで、パラサーフィン日本代表の藤原智貴さん(51)=岡山市=が講演。藤原さんと共に生活する「介助犬」を紹介し、現状と理解を呼びかけた。

介助犬の「テン」(ラブラドルレトリバー)と来場した藤原さんは2009年、サーフィンの練習中に事故に遭い、頸髄を損傷。車いす生活となった。その後、友人に背中を押され、障がいのある人のサーフィン「パラサーフィン」を始め、23年には世界選手権で3位に輝いた。

藤原さんは、盲導犬(国内768頭)、聴導犬(同52頭)と共に「補助犬」の一つである介助犬(同56頭)は、肢体不自由者のサポートが仕事で▽落ちたものを拾う▽衣服の脱衣補助▽指示したものを持ってくる▽ドアの開閉―などができることを紹介した。

介助犬と暮らすメリットは▽できなかったことができるようになった▽時間がかかっていたことが早くなった▽出かけるときの不安がなくなった▽一人ではないことの安心感▽気兼ねのない関係―を挙げ、「人には機嫌があるので、最初はよくても同じことを頼むうちに『また?』という顔をされる。でも、犬には機嫌がなく、お願いすればするほどテンションが上がる。圧倒的に頼みやすい」とほほ笑んだ。

また、「けがをしてからお願いする人生になったが、犬は求めてくれる」と言い、「私が車いすだから『今日は散歩やめとこうかな』とは思わないし、いつも全力で心のバリアがない。犬は、『究極のバリアフリー』」と話した。

絶対に覚えて帰ってほしいこととして紹介したのが、02年に成立した「身体障害者補助犬法」。あらゆる施設で補助犬を同伴する権利を認めた法律で「20年以上たつが、この法律を知っている人がほとんどいないため、残念ながら同伴拒否が起きる。悪気もなく、『確認します』『苦手なお客さんもいるので』など、ユーザーは毎日そういったストレスと闘っている」とした。

施設などで補助犬を受け入れるこつについて、「ただただ受け入れて。『それだけかよ』と思われるかもしれないが、それがなかなかできない。『確認します』と待たされることもあり、当たり前にただ受け入れてもらうだけで十分」と訴えていた。

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