高速道路の無料化社会実験が終わり、 6月20日午前零時から、 吉川ジャンクションから終点の小浜西までの全線が無料区間だった舞鶴若狭自動車道も有料となる。 普通車の場合、 春日―三田西が1000円、 小浜西まで2100円。25日から土、 日、 祝日は最大5割引き (ETC車限定)。 平日も時間帯によって最大5割引きとなる。 丹波市内に観光客の増加をもたらした一方、 商業面では市外への流出といった側面もあった同実験。 実験が終わると、 どうなるのか。
最多
昨年7月から始まった同実験。 春日料金所の2010年度の交通量は、 18万665台で、 前年度比99・1%増と、 ほぼ倍増した。 丹南篠山口料金所は、 14万3234台で106・5%増。 北近畿豊岡道春日和田山道路と接続することもあり、 春日料金所で乗り降りする車が、 舞鶴若狭自動車道の9料金所で最も多かった。
観光
丹波市観光協会が 「道の駅かすが」 「道の駅あおがき」 「丹波いっぷく茶屋」 の3観光案内所への立ち寄り客を調べたところ、 昨年と今年の4、 5月の比較で、 春日は47%増、 20%増。 青垣は13%増、 6%減、 いっぷく茶屋は18%増、 10%増と、 鈍化しつつも概ね伸びていた。
市内で最も影響が大きかったのが、 秋の紅葉。 高源寺 (青垣町桧倉) が14%増の4万9000人、 円通寺 (氷上町御油) が21%増の3万5000人、 石龕寺 (山南町岩屋) が33%増の2万4000人だった。
高源寺の山本祖登住職は、 「増減に関心はない」 とした上で、 「高速が有料になれば個人参拝客が減るだろう」 と予想する。 柏原町市街地でシカ肉料理専門店 「無鹿」 を経営する鴻谷佳彦さんは、 「多いに影響があると思う。 三田や神戸から気軽に来てもらえていたが、 そうはいかなくなる」 と懸念する。
岸本稚世市観光協会事務局長は、 「大丹波連携で京都丹波も一緒に観光客誘致を、 と言い始めたところで、 痛い。 紅葉なり食材なり、 よりいっそう特色を出していかなければ」 と危機感を募らせる。 市観光振興課の山中直喜課長は、 「誘客ムードに冷や水をさされるが、 豊岡道が無料なので、 舞鶴道全体の通行量が減っても、 春日までの需要は残るのでは」 と、 期待を寄せる。