節電「できる範囲」で 丹波市内の製造業者

2011.06.26
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 関西電力の節電要請が、 製造業を中心とする丹波市内の大口需要家の事業所にも届いており、 節電対策に知恵を絞っている。 顧客に迷惑はかけられず、 「できる範囲で節電に取り組む」 とするところが多い。 新たな策を講ずるところより、 費用削減や地球温暖化対策の観点から従来、 取り組んでいる 「こまめな消灯」 「冷房の使用を控える」 といった省エネ、 節電策の再点検が主流だ。

 関西電力は、 契約電力500キロワット以上の法人を訪問し、 節電を要請している。 その他の法人にはダイレクトメールを送付、 個人にはパンフレットを検針時に投函している。 直接訪問の対象事業所は、 丹波、 篠山両市で約70社。

 自動車用ケーブルを手がけるハイレックスコーポレーション柏原工場 (同市柏原町柏原) は、 ピーク時の電力分散のため 「平日休み、 土日出勤」 とする業界の動きに追随。 7月から従業員約340人の休みを木、 金曜とする。 宝塚市の本社以下、 全社を挙げた対応。 「女性従業員の家庭の事情などがあり、 難しい面もあるが、 労使協調していかざるを得ない」 と、 同社。

 同社のように大掛かりな対策を行うところは例外的で、 従来の省エネ策を継続、 もしくは、 やや拡大する事業所が多い。

 食品包装フィルムなどを製造するクレハ樹脂加工事業所 (同市柏原町北中) は、 東日本大震災の影響で関東から関西への生産シフトの移行を受け、 20日から24時間運転に切り替えたばかり。 週7日、 土日も機械を稼働させている。 「ここが1番、 2番はここ、 と空調を止める個所は決めているが、 電力で生産しており、 大掛かりな節電は生産を止めるしかない。 できる範囲で協力する」 と話す。

 有機微粒子などを製造するガンツ化成丹波事務所 (同市柏原町下小倉) も、 「消灯など、 協力できるところはするが、 製造メーカーはお客さんに迷惑をかけられない」 と話す。

 東洋電機 (同市氷上町成松) は、 「どの程度、 節電できるか算定中」 とし、 通路照明や水銀灯のLED化、 製品試験を間引くなどの策を検討している。

 

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